“伊周vs道長”トップに立つべきは? ロバート秋山の顔に注目すべきワケ。NHK大河ドラマ『光る君へ』第19話考察レビュー
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。まひろは内裏で定子との対面が叶う一方で、右大臣となった道長に対立する伊周たちが、とある事件を引き起こす…。今回は、第19話の物語を振り返るレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
まひろが思いがけず一条天皇に対面
『光る君へ』第19話より ©NHK
道兼(玉置玲央)の死後、一条天皇(塩野瑛久)は道長(柄本佑)を右大臣に任命した。これによって公卿の頂点に立った道長の主導のもとで陣定が行われ、疫病に苦しむ民から申し出のあった租税の免除について議論が交わされる。
多くの者が免除に賛成を表明する中、反対の意を唱えるのが、道長に先を越されてしまった伊周(三浦翔平)だ。しかし、意見は覆らず、これにヘソを曲げた伊周と弟の隆家(竜星涼)は内裏に参内しなくなった。
一方、まひろ(吉高由里子)は、ききょう(ファーストサマーウイカ)のはからいで内裏の登華殿を訪ねることに。定子(高畑充希)との初対面に緊張する中、思いがけず一条天皇が現れる。
恐れ多くも、「我が国にも宋の国のように身分の差を超えて政に加われる制度があれば」と政について意見を述べるまひろに一条天皇はいたく感心。「あの者が男であったら登用してみたいと思った」と道長に語り、驚かせる。そんな中、道長はまひろの父・為時(岸谷五朗)から届いた申文を見つけ、従五位下に推挙した。
その頃、伊周はいつものように妾である光子(竹内夢)のもとへ忍び込もうとする。光子は斉信(金田哲)の妹で、伊周は彼女を寵愛していた。
だが、そんな光子の邸宅の前に、立派な牛車が止まっているのを見た伊周は裏切られたと勘違い。隆家は相手の男を懲らしめてやろうと、光子の邸宅から出てきた男に矢を放つ。幸運にも外れたが、隆家が矢を向けたのは花山法皇(本郷奏多)だった。
心を新たにするため、まひろ(吉高由里子)との思い出の場所である廃邸を訪れた道長。すると、そこにはまひろの姿が。二人はしばし見つめ合った後、言葉も交わさずに別れる。