草笛光子が念願の作品完成に「大きな声で叫びたい気分」 映画『九十歳。何がめでたい』完成披露舞台挨拶実施レポート到着
主演・草笛光子ら豪華出演陣が鏡開きでお祝い! 前田哲監督が手掛けた映画『九十歳。何がめでたい』が、6月21日(金)に公開された。この度、5月21日(火)に本作の完成披露舞台挨拶が実施され、唐沢寿明、藤間爽子、片岡千之助、LiLiCo、真矢ミキらキャスト陣と前田監督が登壇し、作品完成の喜びやの撮影裏話を語った。
映画『九十歳。何がめでたい』完成を豪華出演陣が鏡開きでお祝い!
直木賞をはじめ数々の賞を受賞し、昨年の11月5日に100歳を迎えた作家・佐藤愛子のベストセラーエッセイ集「九十歳。何がめでたい」が実写映画化。
2016年5月まで1年に渡り「女性セブン」(小学館)に連載され、90歳を迎えヘトヘトになった作家自身の日々の暮らしと世の中への怒り、戸惑いを綴った本作。
籍化されるやその「老い」や「現代社会」に対する歯に衣着せぬ物言いと、独特のユーモアで、「人生100年時代」といわれる現代を生きる老若男女に多くの共感を得て、たちまち社会現象に。
その後98歳を迎えますますヘトヘトになった日々の暮らしを綴った続編「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」も刊行され、シリーズ累計発行部数は175万部の大ベストセラーとなった。
同じく、老後の諸問題をユーモアを交えながら描き、21年に公開され大ヒットとなった『老後の資金がありません!』の前田哲監督が満を持して草笛光子を主演に迎え、映画「九十歳。何がめでたい」として、6月21日(金)に公開された。
この度、5月21日(火)に実施された完成披露舞台挨拶では、豪華キャスト陣と前田哲監督が映画の完成を祝し、日本の”めでたい”シーンに欠かせない鏡開きや、それぞれが完成した作品への想いや撮影時のエピソードを披露。
そして草笛が演じた“世の中を痛快に一刀両断する90歳の作家”という役どころにちなみ、登壇者らが観客の悩みにズバリ回答する、お悩み相談コーナーも実施された。
完成披露という晴れの舞台にふさわしい晴天に恵まれた好日に、草笛光子、唐沢寿明、藤間爽子、片岡千之助、LiLiCo、真矢ミキという豪華キャスト陣と、本作のメガホンをとった前田哲監督が登壇。
演じた役と同じ九十歳で主演を務めた草笛は、美しい白いドレスに身を包み、唐沢のエスコートを受けながら年齢を感じさせない力強い足取りで登場した。
舞台挨拶冒頭には、上海国際映画祭、ニューヨークアジアン映画祭での上映が決定したことが発表され、早くも“めでたい”空気で包まれた満席の観客を前に、「本日はようこそおいでくださいました。この素晴らしい場にいられて幸せいっぱいです」と草笛が挨拶。
唐沢は「本当に多くの方にお越しいただきありがとうございます」とお辞儀をしながらマイクに頭をぶつけて会場の笑いを誘ってみせた。続いて、「今の時代に響く作品です。楽しんでください」(真矢)、「この映画を観てどのように感じていただけるか楽しみにしています」(藤間)、「今見てもらいたい笑って泣ける作品を少しでも多くの方に楽しんでいただけたら幸いです」(片岡)、「こういう顔なのでいじわるな役が多いのですが、今回は普通の美容師の役です(笑)」(LiLiCo)、「この日を迎えられたのが奇跡のようです。実際に撮影中に90歳を迎えられた草笛さんが元気いっぱいに演じられている作品なので、ぜひ楽しんでください」(前田監督)と登壇者たちがそれぞれに作品への思いを語った。
続いて、劇中で草笛演じる愛子が人々の悩みを“一笑両断”する様にちなんだ、質問&お悩み相談コーナーへ。『これまでの人生で一番めでたかった事は?』という質問に対しては、「この日を迎えられたこと。だって草笛さんがこんなに嬉しそうですから」と唐沢が隣に座る草笛を見ながら答えれば、それを受けて草笛は「なんと言えばいいんでしょう…。わぁーと大きな声で叫びたいような気分」といまの感情を表現した。さらに、「宝塚に入ること、俳優になること、この二つが最も辛くて自分に遠い仕事だと中学生の頃に思っていたのに、その両方をやっている自分はめでたい人だなと思います」(真矢)、「それほどまだ長く生きていないのですが…今日です!」(片岡)、「撮影前に原作者の佐藤愛子先生と草笛さんと会食をする機会があったんです。当時99歳の先生と89歳の草笛さん、その二人に挟まれていたことがめでたかったな、と。辛い時があったらその時の写真を見るようにしています」(前田監督)と各登壇者が回答を続けた。
『子どもたちが一人立ちし、夫婦だけの生活になることがいまから不安。熟年離婚もありなのでしょうか』という二つ目の悩み相談に対しては、「私は離婚をしていないのでよくわからないんですよね。こうして話しているうちに徐々にわかってくるのかもしれません(笑)」(草笛)、「子供たちがいる前は二人だったわけですから、その時のことを思い出してみては。あとはお互いの目を30秒間見つめあってみるとか。多分長くて続かないと思いますけど(笑)」(唐沢)、「いまはまだお子さんに集中したらいいのでは。コミュニケーション不足からいろんなことが割れていくので会話することが大事です」(LiLiCo)「自分の両親のことを考えてみるといまはペットの犬に夢中で。動物を飼ってみるのは良いかもしれません」(藤間)と、深刻な悩みにも時に笑いを交えながら真摯に答えていた。
三つ目の『ダイエットしたいのに食べるのがやめられない』という相談には、「食べたらその分運動をしてみては。私は劇団で大きな羽をつけて階段を昇り降りしたりと散々に運動していたので、いまは運動嫌いなのですが…(笑)。用事のついでにウォーキングしたりするようにしています」(真矢)、「それなら食べたらいいのでは。食べすぎはよくないけど我慢はストレスになりますから。食べられるうちは好きなものを食べたほうがいいと思います」(唐沢)、「好きなものを嫌いになるまで食べてみるというのはどうでしょうか」(藤間)、「細いから美しいというわけではないので、食べたいものは食べたほうがいいんじゃないかな。好きなものを食べられるのは幸せなこと。それでもダイエットしたければ草笛さんがCMをしている健康器具を使ってみては(笑)」(LiLiCo)と、的確なアドバイスが続々と飛び出し、お悩み相談コーナーは終了となった。
その後、本作の完成を祝して登壇者一同で鏡割りを実施。代表して草笛が木槌を持つと、自分の頭に木槌を振るような素振りをしたり、かけ声にフライングをして割ろうとしてみたりと、お茶目な一面を見せていた。
最後に観客へのメッセージを求められると、前田監督が「本編は99分と短い映画なのでご高齢の方もトイレの心配なく、観ていただけると思います(笑)。子どもからご年配までどの世代の方が観ても楽しめる映画です。そしてなにより、俳優陣が輝いている作品です。」と語れば、草笛は「浮かない顔で観ていたらわかりますからね(笑)。ちっともめでたくないですけどね、90歳。」と劇中で愛子が発するセリフにちなんだ一言で締めると、会場は大きな拍手に包まれ、終始“めでたい”空気に満ちた完成披露舞台挨拶は終了となった。
【イベント概要】
タイトル:映画 『九十歳。何がめでたい』 完成披露舞台挨拶
日時:5月21日(火)15:00~15:40(予定)
場所:有楽町マリオン9F 丸の内ピカデリー1(東京都千代田区有楽町2丁目5-1 有楽町マリオン9F)
登壇者(敬称略):草笛光子、唐沢寿明、藤間爽子、片岡千之助、LiLiCo、真矢ミキ、前田哲監督
【作品情報】
出演:草笛光子、唐沢寿明、藤間爽子、片岡千之助、中島瑠菜、オダギリジョー、清水ミチコ、LiLiCo、宮野真守、石田ひかり、三谷幸喜、木村多江、真矢ミキ
企画・プロデュース:岡田有正
企画:古賀誠一、石塚慶生
プロデューサー:近藤あゆみ 山田大作
原作:佐藤愛子「九十歳。何がめでたい」「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」(小学館刊)
監督:前田哲 脚本:大島里美 音楽:富貴晴美
主題歌:「チーズ」木村カエラ(ELA/Victor Entertainment)
製作:2024映画「九十歳。何がめでたい」製作委員会
制作プロダクション:スタジオブルー
配給:松竹
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