黒木華の独壇場…”倫子”の思惑とは? 呪詛騒動、誰が嘘をついている? NHK大河ドラマ『光る君へ』第20話考察レビュー
text by 苫とり子
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。伊周・隆家の不祥事により起きた「長徳の変」。その裏では、女性たちの強かさが垣間見えた…。今回は、第20話の物語を振り返るレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
中関白家の凋落が決定打に
藤原伊周(三浦翔平)、藤原隆家(竜星涼)が、花山院(本郷奏多)に向けて矢を放った。矢は外れたが、乱闘で花山院の従者が2人死亡。斉信(金田哲)の妹・儼子に通った帰りだった花山院はこれを公にしないつもりだった。
しかし、斉信が現場から走り去る伊周と隆家を目撃しており、事の次第は右大臣・道長(柄本佑)の耳にも入る。一条天皇(塩野瑛久)はたいそうお怒りになり、2人に謹慎処分を命じた。
さらに、伊周と隆家は病に伏せる詮子(吉田羊)を呪詛した疑いをかけられる。伊周は道長に、定子(高畑充希)は一条天皇に罪を軽くしてほしいと乞い願い、死罪は免れた。伊周と隆家は遠流に処され、定子も兄弟たちの不祥事により内裏を出ることを命じられる。
だが、伊周と隆家は処分を受け入れず、検非違使が屋敷に乗り込む事態に。そんな中、定子が検非違使の男から刀を奪い、自ら髪を下した。
一方、為時(岸谷五朗)が淡路守に任命され、惟規(高杉真宙)といと(信川清順)は大喜び。しかし、まひろ(吉高由里子)は、漢詩に秀でた父は宋人が多く来訪する越前守の方が適任だと考え、国替えを希望する申文を道長に送る。すぐにまひろの字だと気づいた道長は、為時を越前守に任じた。