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ヴィム・ヴェンダース監督最新作。アートドキュメンタリー映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』田中泯のコメント解禁

text by 編集部

アートドキュメンタリー映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』は、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られる芸術家のアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー。今回は、本作の監督であるヴィム・ヴェンダース監督とも親交がある、田中泯からコメントが到着した。

「アンゼルム・キーファーとは、年齢から追放された記憶の創造者の事だ」
ヴィム・ヴェンダース監督作品出演の田中泯コメント

『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』
© 2023 Road Movies All rights reserved

役所広司主演映画『PERFECT DAYS』(23)で、第96回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたことも記憶に新しい、ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督が手掛ける本作は、戦後ドイツを代表する芸術家であり、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー。

アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で壮大な世界を創造する、戦後ドイツを代表する芸術家。1999年、高松宮殿下記念世界文化賞・絵画部門を受賞。ヴェンダース監督と同じ、1945年生まれであり、初期の作品の中には、戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、ナチス式の敬礼を揶揄する作品を作るなど“タブー”に挑戦する作家として美術界の反発を生みながらも注目を浴びる存在となった。

制作期間には2年の歳月を費やし、3D&6Kで撮影。従来の3D映画のような飛び出すような仕掛けではなく、絵画や建築を、立体的で目の前に存在するかのような奥行きのある映像を再現し、ドキュメンタリー作品において新しい可能性を追求した。

「先入観を捨てて、この衝撃的なビジュアルをただ楽しんでもらいたい」とヴェンダース監督は語る。

キャストには、アンゼルム・キーファー本人の他、自身の青年期を息子のダニエル・キーファーが演じ、幼少期をヴェンダース監督の孫甥、アントン・ヴェンダースが務めている。

今回、ヴィム・ヴェンダース監督『PERFECT DAYS』、第36回東京国際映画祭で上映された短編『Somebody Comes into the Light』に出演の田中泯さん(ダンサー・俳優)からコメントが到着した。

【田中泯さん(ダンサー俳優)コメント】

「見て、感じて、思った」
こころは細胞となってカラダを突き動かす。誰しもがだ。一生の運動一生の表現。誰しもが完全な個人として世界に現れる。その時の世界という環境を刻印されて生命を始める。誰しもがだ。

一九四五年、アンゼルム・キーファーとヴィム・ヴェンダースは戦後0年の荒れ果てた国ドイツに生まれた。この情報だけで、こころ動かす幾多の基調低音が聞こえてくる。

キーファーさんの夢想が好きだ。思想と称ぶ人が多いが、何が違う。ヴェンダース監督は、広島・長崎の原爆投下のニュースが世界を席捲したその時に生まれた。

映画の中でB29の低音が聴こえたのは僕だけだったのか? アンゼルムの創造物は常に傷ついた物と事に満ちている。日本の戦後0年に生まれた僕のこころの奥底にもムカムカはある。子供の頃からずっとだ。

アンゼルム・キーファーとは、年齢から追放された記憶の創造者の事だ。

映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』6.21(金)より
TOHO シネマズ日比谷ほか全国順次公開

『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』
© 2023 Road Movies All rights reserved

今回コメントを寄せた田中泯さんと、映画評論家の森直人さんを招いて、トークイベント付き 3D先行上映会の開催が決定。

ヴィム・ヴェンダース監督作への出演。そして、アンゼルム・キーファー本人とも交流のある田中泯さんに、映画を通じてヴェンダース監督についての印象や、フランス・バルジャックにあるキーファーのアトリエを訪ね感じたことなどを語る予定。

3Dでの上映は、ヴェンダース監督自身が強く熱望している上映方法であり、立体的で目の前に存在するかのような奥行きのある映像を再現し、ドキュメンタリー作品において新しい可能性を追求した形となっている。

また、来場者には“動く”3Dポストカード(画像左)を特典として配布予定。イベントの詳細は以下の通り。

開催日時:6月6日(木) 18:45の回(上映前にトークイベント開催)
会場:ヒューマントラストシネマ渋谷 odessa theater1
登壇者(敬称略):田中泯(ダンサー・俳優)/森直人(映画評論家)
※登壇者は都合により、予告なく変更となる場合がございます。

料金:2,400 円均一 ※各種割引使用不可
チケット販売:
オンラインは5/30(木)19:00~
窓口販売は5/31(金)朝オープン時~ ※オンライン販売で残席があった場合のみ
※詳細はヒューマントラストシネマ渋谷のHPをご確認ください。

監督:ヴィム・ヴェンダース
エグゼクティブプロデューサー:ジェレミー・トーマス
撮影:フランツ・ルスティグ
ステレオグラファー:セバスチャンクレイマー
編集:マクシーン・ゲディケ
作曲:レオナルド・キュスナー
出演:アンゼルム・キーファー ダニエル・キーファー アントン・ヴェンダース
2023 年/ドイツ/93分/1.50:1/ドイツ語・英語/原題:Anselm/カラー・B&W/5.1ch/3D&2D 字幕:吉川美奈子 配給:アンプラグド
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