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史実と全然違うのに…なぜ『ウマ娘』は競馬ファンから批判されないのか? 劇場版を徹底考察&評価レビュー。人気の秘訣を解説

text by 高橋大地

劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』が大ヒット公開中だ。一見、毛嫌いされかねない設定の同作だが、実はアニメ好きだけではなく、古参の競馬ファンの心も掴んでいるようだ。今回は、そんな『ウマ娘 』ヒットの要因を考察していく。(文・高橋大地)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

競馬ファンの琴線に触れる王道スポコン物語

(C)2024 劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」製作委員会

(C)2024 劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」製作委員会

 

時速60km以上で走ることができる美少女たちがレースで競い合う。一見、突拍子もない設定に感じるかもしれないが、2021年にスマートフォン向けゲームがリリースされると社会現象となり、そのコンテンツは多くの日本人に知れ渡った。『ウマ娘』のことである。

『ウマ娘 プリティダービー』は、Cygamesが展開するクロスメディアコンテンツで、ゲームやアニメ、音楽やコミカライズなど様々な分野で人気を獲得。この度、満を持してシリーズ初となる劇場版が公開された。

作中に登場するウマ娘たちは、(私たちのいる現実世界に)実在する競走馬の名前と魂を受け継いでいて、学園のライバルやトレーナーたちとともに<トゥインクル・シリーズ>制覇を目指し成長していく。

映画の内容に触れる前に、『ウマ娘』の世界観を説明しておこう。

個性豊かなキャラクターが数多く登場するアイドルゲーム的な要素がありつつ、それぞれが汗と涙とともに成長していく、いわゆるスポ根ものでもある。

TVアニメシリーズ、WEBアニメから数えると、劇場版は5作目にあたる。スペシャルウィーク(TVアニメ1期)、トウカイテイオー(TVアニメ2期)、ナリタトップロード(WEBアニメ)、キタサンブラック(TVアニメ3期)といった各シーズンの主人公たちは、いずれも日本競馬史に残る名馬の名前と魂を受け継いでおり、ライバルとしのぎを削りながら、ケガやスランプを乗り越えていく王道のストーリーになっている。

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