「枕草子」執筆場面が美しい…なぜ役者・ファーストサマーウイカは大化けした? NHK大河ドラマ『光る君へ』第21話レビュー
text by 苫とり子
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。ききょうは定子を想い、かの有名な『枕草子』を執筆する。一方、まひろは旅立つ直前、道長との別れを果たす。今回は、第21話の物語を振り返るレビューをお届けする。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
まひろと道長の別れ
一条天皇(塩野瑛久)の身内である道長(柄本佑)と詮子(吉田羊)を呪詛し、謀反を起こしたとして遠流に処された伊周(三浦翔平)。
しかし、一向に処分を受け入れない伊周を屋敷に迎えに上がった検非違使たちの前で、定子(高畑充希)は自ら髪をおろした。出家すれば、もう内裏には上がれない。報告を受けた一条天皇は大きなショックを受け、逃亡中の伊周の捕獲に躍起になる。
後日、伊周は出家姿で検非違使別棟である実資(秋山竜次)の前に現れるが、それは処分を逃れるための嘘だった。すぐに捕獲され、息子の罪を一緒に背負う覚悟を決めた母・貴子(板谷由夏)とともに任地である太宰府へ向かう伊周。だが、一条天皇はこれを許さず、二人を引き離した。
一方、越前守に任命された為時(岸谷五朗)についていくことが決まったまひろ(吉高由里子)を、ききょう(ファーストサマーウイカ)が訪ねてくる。定子が一条天皇の子を懐妊中であることをこっそり打ち明けるききょう。それなのにまともに食事もとらない定子を心配するききょうに、まひろは中宮のために何かを書いてはどうかとアドバイスする。
それを受け、ききょうは四季折々の自然美や風物を織り交ぜた随筆を書き始めた。一方、まひろも越前に旅立つ前に道長に文を送る。文を受け取った道長は、まひろと逢瀬を重ねた廃邸へ。そこで二人は積年の思いを伝え合い、別れる。