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多様性が生んだ“歪み”を描く…『パーセント』が時代を画するドラマになったワケ。話題のNHKドラマを徹底考察&感想レビュー

伊藤万理華主演のNHKドラマ『パーセント』が完結を迎えた。本作はローカルテレビ局で働く新人プロデューサーが、俳優を目指す車いすの女子高生を主演にしたドラマ企画の実現に奮闘する物語。今回は、ドラマのテーマを深掘りしたレビューをお届けする。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

「わからない。でも。あきらめない。」
多様性の意味を問い掛けてくる意欲作

『パーセント』第3話より ©NHK
『パーセント』第3話より ©NHK

 “障害”について考えるとき、身体的なハンディを想像する人が多いのではないかと思う。ハンディとは、「立場を相対的に不利にする要因」を指す。身体機能なハンディの有無で、わたしたちは人を健常者と障害者とに分ける。

 土曜ドラマ「%(パーセント)」(NHK)が、先日全4回にわたる放送を終えた。「わからない。でも。あきらめない。」をキャッチコピーに、障害のある役者をドラマに起用する過程を赤裸々に描き出し、多様性の意味を問い掛けてくる意欲作だった。

 ローカルテレビ局で働く吉澤未来(伊藤万理華)は、バラエティ班からドラマ班への異動を希望し企画書を出し続けていた。ある日未来の企画が採用されるのだが、局が行う「多様性月間」のキャンペーンの一環として、主人公を障害者に変更するようリクエストされる。

 自分の企画なのに、思い描いていた内容からかけ離れていく。それでも未来はなんとかドラマを成立させようとし、取材先で出会った役者志望で車椅子に乗った高校生・宮島ハル(和合由依)や局内の人たちとの関わりを通して、様々な学びを得ていく……といった内容だ。

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