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松下洸平登場に恋の予感…“越前編”でサスペンス色が増した理由とは? NHK大河ドラマ『光る君へ』第22話考察レビュー

text by 苫とり子

吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。まひろは父・為時と共に越前の地へと到着するが、為時は多忙にあけくれて倒れてしまう。父の治療のために現れた薬師は、敦賀で出会った周明だった…。今回は、第22話の物語を振り返るレビューをお届けする。(文・苫とり子)

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

松下洸平演じる“周明”とは何者か? ミステリアスな役柄を好演

『光る君へ』第22話より ©NHK
『光る君へ』第22話より ©NHK

 越前国府に行く前に、敦賀の松原客館に立ち寄ったまひろ(吉高由里子)と為時(岸谷五朗)。2人は宗から来た商人・朱仁聡(浩歌)と、通詞の三国若麻呂(安井順平)らに迎えられる。為時は当初、彼らが本当に商人なのかを疑っていたが、交流を深めていくうちに好感を抱くのだった。

 翌日、まひろと為時は越前国府に到着。役人の大野(徳井優)や源光雅(玉置孝匡)に、朱が修理に出しているという船はどうなったかを尋ねる。しかし、「宋人のことはこちらでよしなにやっておきますので」とはぐらかすばかり。

 さらに、源光雅は為時に「どうぞ越前のことは我々越前の者にお任せくださいませ。国守さまはただそれをお認めいただければ懐を肥やしになって都に戻られましょう」と賄賂をちらつかせる。だが、真面目な為時は毅然とした態度でこれを拒否した。

 すると役人たちの嫌がらせか、翌日から民の陳情が殺到し、為時は多忙で体調を崩す。そんな為時を診てもらおうと、朱が連れてきたのは、敦賀でまひろが少しばかり言葉を交わした薬師の周明(松下洸平)。周明が施した鍼治療で為時はすっかり元気を取り戻した。

 しかし、突如として通詞の三国が何者かに殺害される。越前の役人たちは朱を犯人として拘束。まひろは左大臣の道長(柄本佑)に手紙で判断を仰いだが、道長は道長で、それどころじゃない状況に直面していた。というのも、貴子(板谷由夏)の死後、定子(高畑充希)が一条天皇(塩野瑛久)の子を妊娠していることが発覚。その対処に追われていたのだ。

 よって、道長からは「越前のことは越前でなんとかせよ」という頼りない言葉を綴った手紙が返ってくる。まひろたちが途方に暮れていると、やってきたのは周明。とある下人を連れてきた彼は、流暢な日本語で「朱様は通詞を殺していない。証人だ」と訴えるのだった。

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