永野芽郁と高橋文哉の“かけがえのない表情”を切り取った珠玉の恋愛映画『からかい上手の高木さん』徹底考察&評価レビュー
『愛がなんだ』『街の上で』の今泉力哉監督がメガホンをとった映画『からかい上手の高木さん』が公開中だ。山本崇一朗の原作コミックから10年後の未来を描いた本作。今回は、初共演となる永野芽郁と高橋文哉が魅せる甘酸っぱい描写や、オリジナル部分の見どころに迫る。(文・村松健太郎)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:村松健太郎】
脳梗塞と付き合いも15年目を越えた映画文筆屋。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在各種WEB媒体を中心に記事を執筆。
原作番外編で素描されたオリジナル展開が見もの
累計発行部数1200万部山本崇一朗の同題ベストセラーコミックの実写映画化である。
中学のクラスメイトで、座席も隣同士の高木さん(永野芽郁)と西片君(高橋文哉)の微笑ましいやり取りを描く。
西片は何かと高木さんにからかわれ続ける日々を送る。西片はなんとか“からかい返し”を試みるも常に高木さんに一歩先を行かれてしまう。男女のやり取りが実に楽しく、さらにその中にほんの少し隠されている“特別な感情”に甘酸っぱい気持ちになるものだ。
「からかい上手の高木さん」はこれまでアニメシリーズが作られてきたが、今回待望の実写化となった。
原作にあたる部分は、高木さん役に月島琉衣、西片役に黒川想矢を抜擢した、2024年の深夜帯の春ドラマで(TBS系列)描かれた。今回の映画では、原作番外編で素描された未来の話の部分を含む、オリジナル展開となっている。
ドラマ版は原作のテイストを巧く活かした秀作であった。月島琉衣、黒川想矢の2人がちゃんと個性を発揮しながら、映画版の永野芽郁と高橋文哉に繋がるように見えるからお見事だ。
深夜帯の放送であるためにあまり話題にならなかったが拾い物感あふれる逸品となっている。Netflixではドラマもアニメも観ることができるので、映画公開のタイミング見てみるのも良いかもしれない。