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おじさんにダメ男でもマーベル超えの面白さ…日本の偉大なヒーロー映画(3)巨人が復活!全世代を魅了したのは?

text by ZAKKY

根強く人気のある「スーパーヒーロー映画」。近年、「ヒーロー疲れ」という言葉が生まれ、ファンが離れる一方、常識を外れた設定や型破りなヒーローの出現により、幅広く支持される作品がある。今回は、定年間近のおじさんや、ダメ男など、常識の枠を外れたことで大成功を収めた、最高のヒーロー映画5選を紹介する。(文・ZAKKY)

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日本を代表する不朽の名作をスタイリッシュにリブート

『シン・ウルトラマン』(2022)

俳優の斎藤工
斎藤工Getty Images

監督:樋口真嗣
脚本:庵野秀明
キャスト:斎藤工、長澤まさみ、有岡大貴、早見あかり、田中哲治、西島秀俊、山本耕史、岩松了、嶋田久作、益岡徹、長塚圭史、山崎一、高橋一生、山寺宏一、津田健次郎、堀内正美、小林勝也、利重剛、竹野内豊、和田聰宏

【作品内容】

巨大不明生物「禍威獣(カイジュウ)」の出現により、街が破壊される状態となってしまった日本。日本政府は、「禍威獣特設対策室(カトクタイ)」を設立。 班長・田村君男(西島秀俊)、作戦立案担当官・神永新二(斎藤工)、非粒子物理学者・滝明久(有岡大貴)、汎用生物学者・船縁由美(早見あかり)がたちは、「禍威獣」の駆逐のため、日夜、奮闘する。そんな中、突如、異星人であるウルトラマンが現われる…。

【作品内容】

『シン・ゴジラ』(2016)、『シン・仮面ライダー』(2013)など、往年の特撮モノの「シン」シリーズを築き上げた『新世紀エヴァンゲリオン』でお馴染みの庵野秀明が、脚本を手がけた本作。

庵野はかねてから『ウルトラマンタロウ』(1973)と『ウルトラマン80』(1980)が、「二大凄い特撮モノ。センスのタロウ、技術の80」と言及しており、その『ウルトラマン』愛が爆発し、生まれたのが本作である。

初代『ウルトラマン』(1966〜)をモチーフとした今作。ウルトラマンに装着された地球上では3分間しか活動できないことを知らせる”カラ―タイマー”をなくすなど、大胆な設定改変にオールドファンは度肝を抜かれることに。

そして、地球人に興味を持ったウルトラマンが、人間と融合し、人々への愛情を持つようになってゆく。最終的には地球人のために命をかけて戦うという流れは、初代『ウルトラマン』とほぼ同じ流れで、この展開にオールドファンはニヤリとしたことだろう。

また、長澤まさみが演じる分析官・浅見弘子(彼女が巨大化をするという驚愕のシーンもある)がウルトラマンを最初に見た時の「きれい…」という言動にも、非常にリアリティーがあり、ウルトラマンの細身でありながら逞しいフォルムの美しさにも、相当力を入れていたのではないかと思う次第なのである。

さらに、序盤の敵はザ・怪獣のような生物が登場し、その後は知性を持った宇宙人が登場とするという流れも、初代『ウルトラマン』を彷彿とさせるセンスである。

庵野はおそらく『シン・ゴジラ』では、可能な限り自身のオリジナリティーを追求し、『シン・仮面ライダー』では原作の要素とオリジナリティーをミックス。その間に公開された『シン・ウルトラマン』では、オリジナルへのリスペクトを全面に押し出した。そんな作りになっている。

何にせよ、『ウルトラマン』に触れたことのない若者たちをも魅了した本作。時代を超えたスタイリッシュなヒーロー像を築き上げたという点で、日本のヒーロー映画史上に残る傑作と言っても過言ではないだろう。

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