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「放送禁止レベル!?」藤原竜也、”狂った演技”のおすすめ映画(5)。まさにカメレオン、軽快な怪演の一作は?

text by 編集部
俳優の藤原竜也
Getty Images

演技の上手い俳優、アクションを得意とする俳優、コメディセンスに富んだ俳優…。優れた資質をもった役者がごまんといる中、藤原竜也ほど“殺気”にみちた演技で観る者を圧倒する俳優はいないだろう。殺し合いにのぞむ高校生、新興宗教の教祖、児童殺害犯…。今回は、藤原竜也の鬼迫の演技が堪能できる作品を5本セレクトした。

●故・松田優作が演じるはずだったキャラクターをシャープな演技とアクションで自分のものに

『カメレオン』(2008)


出典:amazon

監督:阪本順治
脚本:丸山昇一
キャスト:藤原竜也、水川あさみ、塩谷瞬、豊原功補、波岡一喜、柄本佑

【作品内容】

メンタルが不安定な青年・野田伍郎(藤原竜也)は、劇団のマネージメントをするかたわら、仲間たちと結婚詐欺をして暮らしている。そんなある日、伍郎は路上で占いをしている小池(水川あさみ)と出会い、交流を深める。程なくして彼女も仲間入りを果たす。そんな矢先、いつものように結婚詐欺に成功して披露宴会場を後にした伍郎たちは、拉致現場を目撃してしまう。事件の背後に政治家や大企業の幹部などが大きく関わっていたことから、闇の勢力に狙われるハメに。敵の策略によって次々と仲間を失っていく伍郎は、敵のアジトに奇襲をかけるのだが…。

『処刑遊戯』(1979)や『野獣死すべし』(1980)をはじめ、松田優作の代表作を手がけた脚本家・丸山昇一のオリジナルシナリオを映画化。元々は松田優作のために書き下ろされた物語であり、藤原竜也演じる、謎多き青年・野田伍郎は松田を想定して書かれたキャラクターだった。メガホンをとったのは、藤原竜也とは初タッグとなる阪本順次。

【注目ポイント】

和やかに会話をしていたかと思いきや、いきなり怒りだし、怒ったかと思えば、「なんちゃって」と舌を出す。タイトルとなっている「カメレオン」のように、その場の空気によって表情や振る舞いをクルクル変化させる姿は、奇術師を思わせる。ふざけているのか、はたまた真面目なのか。観る者を煙に巻く主人公を、藤原竜也がいかにも楽しげに怪演している。

もしも当初の予定どおり松田優作が演じていたら、ここまで軽やかな笑いを誘発する作品にはなっていなかったのではないか。軽業師のようにひょうひょうとピンチを切り抜ける藤原竜也は、シリアスな演技はもちろん、コミカルな芝居でも光っている。

ノースタントによるアクションシーンは見応え抜群。予算規模に雲泥の差がある『るろうに剣心 伝説の最期編』に比べるとスケールは小さいものの、天井に貼りついたり、机の下に身を隠したり、床をクルクル転がったり、身体表現の斬新さと俊敏さでは決して引けをとらない。常人ばなれした藤原竜也の素晴らしいアクションが堪能できるという点では、突出した魅力を誇る作品である。

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