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スガシカオが“プリンス”の魅力を語り尽くす。映画『プリンス ビューティフル・ストレンジ』公開記念トークショーレポート

text by 編集部

映画『プリンス ビューティフル・ストレンジ』の公開記念舞台挨拶が6月10日、新宿シネマカリテにて開催された。大のプリンスファンだというシンガーソングライターのスガシカオと、本作の字幕監修を担当した音楽評論家の吉岡正晴が登壇し、孤高のミュージシャンであるプリンスの魅力を語り尽くした。

「羨ましい限り」プリンスの溢れ出る才能に脱帽

©PRINCE TRIBUTE PRODUCTIONS INC

 多くのプリンスファンで埋め尽くされた会場から盛大な拍手を受けて登場したスガは「1回目は何の情報も得ずに観たので、最初はプリンスの秘蔵ライブの映像とかが入っているのかなと思ったら、この映画はそういう映画じゃないんです」と語る。

 さらに、「どちらかというと僕らがこれまで見てきたプリンス像ではなく、他の人から見た『プリンスってどんな人だったんだろう?』というのが大きなコンセプトになっている映画なんです」と解説する。

 吉岡も「ダニエル・ドール監督と数日ご一緒したのですが、監督が一番強調していたのは、プリンスが生まれてから、1978年にデビューするまで、どんなことをしていたのかにスポットを当てたいということでした」と語ると、「この映画を持って、プリンスをお祝いしたい、みんなに伝えて楽しませたい。そして今プリンスを知らない人たちに、その功績を伝えていければという思いで作ったと話していました」と本作の意義を述べる。

©PRINCE TRIBUTE PRODUCTIONS INC

 映画を2回鑑賞したというスガは「世界で一番好きな女性シンガーのチャカ・カーンが、プリンスのことを思ってしゃべっているシーンがあるんです」と振り返り、「そのシーンを観て、こんなにも深い絆でチャカとプリンスが結ばれていたんだなと感じて泣きそうになってしまったんです」と語った。

 さらにスガは「そのなかで、どうしてレニー・クラビッツのインタビューがないんだろう。二人の関係性を考えると、あってしかるべきじゃないですか」と胸の内を明かすと、吉岡は「ダニエル監督もレニーにオファーをしたようなのですが、2016年にプリンスが亡くなってから、まだレニーがプリンスの死を受け入れられなくて、カメラの前で話すことができないと言って断られたそうなんです」と裏話を披露。吉岡の発言にスガは「それは泣けますね。レニーがプリンスをどんな風に思っていたのかが分かります」としみじみ語った。

©PRINCE TRIBUTE PRODUCTIONS INC

 最後にスガは「偉大なアーティストであるプリンスでも、映画を観ていると、7歳ぐらいのころは何でもできたわけではないことが分かります」と述べると「そこからアーティストになる段階で、ビジネスとして売れていくために何が必要か、ものすごくいろいろなことを勉強して、楽器も練習していくんです」と天才として知られるプリンスの努力家としての一面も強調する。

続けてスガは、「プリンスは、日本でコンサートが終わったあと、ビクターのスタジオでレコーディングをしたという逸話があったんです。僕なんか沖縄でコンサートをやったら、そのあとは泡盛ですよ。本当にすごいですよね」と発言し、会場を笑わせた。

【作品情報】

出演:プリンス、チャカ・カーン、チャックD、ビリー・ギボンズ他/監督:ダニエル・ドール/原題:Mr. Nelson On The North Side
2021年/カナダ/英語/68分/16:9フル/ステレオ 提供:キュリオスコープ、ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
©PRINCE TRIBUTE PRODUCTIONS INC.
公式サイト

新宿シネマカリテほか全国ロードショー中

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