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史上最高のTBS「日曜劇場」ドラマは? 社会現象の超傑作(4)神の如き超大作…日本を惹きつけた衝撃展開は?

text by 寺島武志

数々の名作を生み出してきたTBSドラマ「日曜劇場」枠。出演した俳優がことごとく名を揚げることでも知られるが、中には社会現象を巻き起こすほどの名ゼリフ、名シーンが生まれることも。今回は、過去に放送されたTBS「日曜劇場」作品の中から、最も評価の高い5作品を厳選し、作品の魅力とともにご紹介する。(文・寺島武志)

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1話1億円の製作費をかけた2023年最高の話題作

『VIVANT』

俳優の阿部寛
俳優の阿部寛Getty Images

放送期間:2023年7月16日~9月17日
原作:福澤克雄
脚本:八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈
最高視聴率:19.6%
キャスト:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、バルサラハガバ・バトボルド、ツァスチヘル・ハタンゾリグ、コンゴルズル・ナンディン、富栄ドラム、二宮和也、井上順、林遣都、高梨臨、林泰文、吉原光夫、井上肇、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子

【作品内容】

大手総合商社「丸菱商事」で起きた1億ドルの誤送金事件との関与を疑われた乃木憂助(堺雅人)は、損失した金を回収するため、中央アジアの「バルカ共和国」を訪れる。しかしバルカはテロリストが跋扈する世界であり、乃木は金の回収はおろか爆破事件の容疑者として現地警察に追われる羽目となる。

乃木は、公安警察の野崎守(阿部寛)や現地協力者のドラム(富栄ドラム)、WHI(世界医療機構)に所属する医師・柚木薫(二階堂ふみ)らの協力を経て、日本への帰還を目指す。

果たして、誤送金事件の行方と、謎の言葉「VIVANT」の意味とは―――?

【注目ポイント】

事前の情報解禁が殆どされない謎のドラマとしてスタートした本作は、2023年最高の話題作となった。

定年間近の福澤克雄(TBSディレクター)への餞(はなむけ)の意味も込め、局を挙げ、製作費も通常1話3,000万~4,000万円のところを「1話1億円」という巨額が投入された。2か月に及んだモンゴルロケによって、壮大なスケールで描かれた本作は、第1話放送時点で大きな話題を呼び、見逃し配信再生数がTBS歴代最高の400万回を記録した。

謎や、散りばめられた伏線が視聴者を惹きつけ、回を追う毎にネットでの考察合戦が加速する。第1話視聴率11.5%から、右肩上がりにその数字を上げていった。さらに、全10話中5話が「拡大版」として放送される異例の態勢が取られた。

あまりのブームに、続編の噂が浮上しては消える状態が続いているが、原作兼監督の福澤克雄の言葉によると「続編は決まっていませんし、僕には決められない」「なぜかと言うと大赤字だったからです」と述べるほど、収益的には苦しかった裏事情を明かしている。

しかし、最終回のラストシーンでは、大いなる空白を残した印象で、続編を期待している視聴者は多いはず。福澤のプランでは第2弾、第3弾まで頭の中にあるという。どういう形であれ、続編の製作に期待したい名作だ。

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