鳥山明先生も忘れてる…?『ドラゴンボール』未回収の伏線(5)切なすぎる…天津飯の放った衝撃セリフの真意は?
2024年3月1日に惜しまれながらもこの世を去った天才漫画家・鳥山明。その代表作『ドラゴンボール』は後続の漫画家たちの常識を作り、伝説の漫画となった。しかし、物語が進むにつれ、最初の設定とは異なる展開になっている描写が多数ある。今回は、鳥山先生も忘れていそうな設定やセリフについて解説する。(文・ZAKKY)
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天津飯「皆には、もう会うことがないと思う」というセリフの真意
ピッコロ大魔王登場までは、悟空の最大の強敵であった天津飯。性格は非常にクールであり、修行に対してもストイック。真の武道家を常に追求している。
実は「三つ目族の末裔」といった裏設定があり、純粋な地球人ではないと思われる。が、便宜上、ここでは地球人と見なし、クリリンと双璧を成す、地球人最強クラスの男であるとしておく。
その後、天津飯は、ピッコロ、サイヤ人などの登場による強さのインフレにより、悟空チームの中では、2~3軍落ちしてしまった。「人造人間編」で命をかけた「気功砲」でセルを足止めをしたのが、最大の見せ場だと言えよう。
さて、ここでは「人造人間編」のラストにて、「皆には、もう会うことがないと思う。達者でな」という切ないセリフを残して天津飯はどこかに行ってしまうという、ファンの間でもあまり話題に上がらない描写を取り上げたい。
このエピソードが連載された当時、筆者は「え!? なんでそんな寂しいこと言うの!?」と、違和感を覚えたものだが、大人になるにつれ、その気持ちが解ってきたのだ。
そう、天津飯は前述した通り、ストイックな大人の武道家であり、なれ合いが好きではないということがまず挙げられる。
現実社会でも、年齢を重ねる度、人間関係における「会う頻度」は少なくなってゆくものだ。昔、散々ツルんでいた友人とも、年に一回会うような仲となる。
悟空チームの中でも年長組である天津飯はそうなることを察し、この先いらぬ寂しさをお互い味わうくらいであれば、(この時点では)地球も平和になったことだし、早々に「大人」としての別れを告げたのではないかと考える。
「う~ん、シブいぜ! 天津飯のアニキ!」と、ようやく長年抱いていた謎が筆者の中で解決したわけだが、まだ引っかかるくだりがある。それは、天津飯のアニキがその名フレーズを放った後の、非情・不義理極まりない、この極悪コンビの一言である。
クリリン(無言で見送る)
悟飯「天津飯さん、お元気で」
なんじゃ、そりゃ! さっきまで共に死戦をくぐり抜けてきた仲間に対し、これほどあっさりした対応があるだろうか!? これ、絶対、天津飯も「え!? 止めてくんねーの!?」と心の中では思っていたはずだ(笑)。そう妄想しながら、この一連の流れを見ると涙が拭えない。
が、そんな天津飯だが、「魔人ブウ編」にて、その極悪コンビの片割れであり、青年となった悟飯のピンチに颯爽と登場する。
悟飯「天津飯さん!」
天津飯「孫悟飯か…見違えたぞ…」
カッコいい~! さすが、天津飯のアニキ…! このセリフに関しては、「もう会うことはないと言いつつ、来てやったぞ、この小僧。おめー、あの時、俺のこと止めなかったよな」といった、天津飯による心の声があったのかと妄想すると、これまた切なくなってくる(飲み会や合コンで輪に入れなかった年長者が「じゃ、俺は、この辺で」と、金だけ置いて戦線離脱するも、誰も止めない現象に似ているとも言える)。
話は脱線してしまったが、天津飯のあの「ありゃ、何だったんだ?」というセリフの真意を、筆者なりに考察してみた次第だ。
そして、2024年秋から放送される『ドラゴンボールDAIMA』(フジテレビ系列/東映アニメーション)においての、天津飯のアニキの活躍にも期待したいところだ!!
(文・ZAKKY)
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