上半期の民放ドラマ、視聴者を“沼にハマらせた”男性キャラクターベスト5選。心を掴んで離さなかった俳優と沼ポイントも解説
text by 菜本かな
豊作だった2024年春ドラマ。サブスクを利用して複数の作品を視聴していた方も多いのではないだろうか。お気に入りの作品には、推しキャラが付き物。そこで今回は、上半期のドラマの中から、視聴者の心を掴んだ男性キャラクターを5人セレクトして、“沼ポイント”と共に紹介する。(文:菜本かな)
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
色っぽさと可愛さを兼ね備えた“綾野節”にときめく
『アンメット ある脳外科医の日記』綾野楓(岡山天音)
『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)には、本当に魅力的なキャラクターがたくさん登場していた。淡々として見えるけれど、心の奥には情熱がある三瓶(若葉竜也)や、とにかくキュートな星前(千葉雄大)、そして大人の魅力たっぷりの大迫(井浦新)。そのなかでも、筆者は脳外科医の綾野に最も“沼”を感じた。
綾野は“飄々”というワードがとてつもなくハマる。どんなことが起きても動じないし、冷静に自分の立場を守れるのもいい。また、物腰は柔らかいのに、権力者の孫娘と政略結婚をしようとしていたくらいに上昇志向が強い点も、ギャップ沼ポイントだ。
そして、権力と優しさを天秤にかけて苦しんでいたところも、とてつもなく色っぽかった。冷酷な一面は持っているのだけれど、簡単に周囲の善意を切り捨てられるほど残酷にはなりきれない。頼もしさの中に“守ってあげたい”と思わせるような脆さがあることに気づいた瞬間、きっとみんな綾野を好きになってしまうのだと思う。
筆者が沼落ちを確信したのは、第4話。関東医科大学病院で行われていた手術に乱入した三瓶(若葉竜也)に、「聞いたよ。相変わらずめちゃくちゃだね〜」と声をかけたシーン。なんてことのない台詞ではあるが、ここで「そういうことするのやめなよ」と三瓶を諭すではなく「めちゃくちゃだね〜」と他人事のように言ってのけるあたりが、“綾野節”を感じてときめいた。