若葉竜也につられて涙腺崩壊…“伝説の最終回”となった理由とは? ドラマ『アンメット』最終話徹底考察&感想レビュー
text by 山田剛志
ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)が最終回を迎えた。脳梗塞が再発し、命の危機に瀕するミヤビ(杉咲花)。一方、三瓶(若葉竜也)は彼女を助けるために、難易度の高い手術に踏み切る。ドラマ史上に残る手術シーンが描かれた最終話を振り返る。(文・山田剛志)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
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過去の放送回のフラッシュバックでのっけから大号泣
陰影に富んだ映像、無駄なセリフを削ぎ落とした構成、役者の息づかいまでをも克明に捉えるドキュメンタリー調の演出に加え、何より、杉咲花、若葉竜也をはじめとする、キャスト陣のリアリティに富んだ演技によって、ドラマ『アンメット』は回を追うごとに評価を高めていった。
最終回となる第11話では、夜に1人黙々とミヤビを助けるために吻合(ふんごう)の練習に励む三瓶のもとを、津幡(吉瀬美智子)が訪れ、「彼女の望んでいることをしてあげて」と告げる。頑固な三瓶はそれでも津幡に背を向けているが、手元の動きは止まっており、彼女の言葉が心に響いたことがさりげなくわかる。
津幡の言葉に従い、休暇をとり、ミヤビと生活を共にすることにした三瓶は、彼女と時間を過ごすうちに小さな変化を見せていく。それまで食べる習慣のなかった朝食をミヤビのために作る。彼女の大好物であるステーキ丼を口いっぱいに頬張り、「美味しいです」と喜びをダイレクトに表現する。これまで「食べること」を通じて、感情の機微や人間関係の変化を丹念に描いてきた本作らしい演出だ。
しかし、幸せな日々は長くは続かない。脳梗塞が完成し、朝になってもミヤビは目を覚さない。そこで三瓶は彼女がずっと書き継いできた日記をめくり始めるのだが、杉咲花の穏やかな声色によるモノローグに導かれて、過去の放送回で描かれた、数々の忘れがたいエピソードがフラッシュバックし始めた瞬間、三瓶と同時に筆者の涙腺もあえなく崩壊した。