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『相棒』屈指の神回は? 成宮寛貴が最高…甲斐享編の傑作(4)悲劇の結末を増幅させる熱き回とは?

text by Naoki

優秀だが変人の刑事・杉下右京が、相棒と共に事件を解決していくドラマ『相棒』。2000年から2024年現在まで続くシリーズは約400話を超え、テレビドラマの他にも映画や演劇としても親しまれている。今回は、3代目相棒・甲斐享(成宮寛貴)の回の中でも伝説的なエピソードをセレクト。その面白さの真髄に迫る。(文・Naoki)

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仲間たちが甲斐享を助ける熱き回

●シーズン13「死命」

放送日:2014年12月3日
脚本:真野勝成
犯人役:阿知波悟美

本作は”甲斐享という若者の成長”を丁寧に描いている。

年の差婚をした妻を保険金目的で毒殺した疑いのある田無という男を単独で捜査するカイト。右京と捜査一課の手も借りて追い詰めるも、田無はカイトの目の前で投身自殺をする。

捜査手法に問題は無いとされるが、罪悪感に駆られたカイトは辞職を決意。右京は田無が起こした事件に裏があると思い単独で捜査を続け、またカイトは田無の墓で彼の友人という小山美波と出会う。

右京とカイトは別々の形で保険金殺害目的の年の差婚を斡旋していた”ビッグママ”こと大原美千代に辿り着く。カイトの為に右京、捜査一課、米沢、組対四課全員が協力し”ビッグママ”を逮捕。また右京は田無が罪悪感で遅効性の毒を飲み死ぬつもりだった事を突き止めて、カイトの心を救い辞職を撤回させる。

戻ってきたカイトへ右京は紅茶を差し出しながら微笑む。

「おかえりなさい、カイト君」

本作は甲斐享の未熟さと成長を親心のように観てしまう。1人で田無への捜査を順調に行うという3年間での成長。犯人に自殺されてショックで心が折れてしまうという未熟さ。しかしそこから右京を始めとした仲間達が彼の為にと動き出し、総力戦となり巨悪へ立ち向かっていくのが熱い。

峯秋も伝え方こそ不器用ではあるが「お前のせいじゃない」と話したり、最後はカイトの活躍を周囲から褒められ嬉しそうにしたりと親子としての関係改善も見られる。甲斐享は終わり方こそ悲劇的ではあるも、周囲からも愛され成長する要素が確かにあった。

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