山田涼介の“生の反応”を楽しむ…視聴者を釘付けにするライブ感の秘密とは? ドラマ『ビリオン×スクール』第2話考察レビュー
山田涼介主演のドラマ『ビリオン×スクール』は、日本一の財閥系企業のトップである億万長者が、身分を隠して高校教師となり、生徒と様々な問題を通して成長する痛快・学園エンターテインメント。今回は、第2話のレビューをお届けする。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
—————————
【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
現場の自由な空気が伝わる瑠東東一郎の演出
AI教育プログラムの開発と研究を目的に、教師として私立絵都学園に潜入することになった日本を代表する財閥系グループのCEO・加賀美零(山田涼介)。「やる気ゼロ」「才能ゼロ」「将来性ゼロ」の生徒が集められた3年0組、通称“ゼロ組”の担任を受け持つことになった零は赴任早々、生徒の一人・西谷翔(水沢林太郎)の家庭問題を解決した。
『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)第2話では、ゼロ組の隠されたいじめ問題解決に着手する。
いつの時代もなくならない、いじめ問題。最近はインターネットを使ったいじめも増えており、より秘匿性が高まって問題は複雑化している。学園ドラマでは必ずと言っていいほどいじめ問題は扱われ、その回はだいたいシリアスな展開になることが多い。
だが本作は第2話もコメディ色が強く、前回話題になった職員室における自由度の高い会話劇も健在。むしろ前回よりもパワーアップしており、いじめの事実をもみ消したい土橋教頭(永野宗典)、その援護射撃をする溝口(坂口涼太郎)、「愛があればいじめはなくなる」と綺麗事を並べる光井(志田未来)、体罰で問題を解決しようとする堺(MEGUMI)と、各々が好き勝手に主張し、もはや収集がつかない状態だ。
その延長でもみ合いになり、ダンボールの山に投げ飛ばされる土橋。それがあまりに大げさで、山田涼介と木南晴夏が堪えきれず素で笑ってしまう場面もあった。ここで特筆すべきは本作のスタッフ陣。演出は人気ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)を手がけた瑠東東一郎が担当しており、同作でも俳優同士のアドリブ合戦が多々見られた。