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「英語と岡山弁混ぜて喋っていい日本人は藤井風だけ」次回予告にファン大歓喜…ドラマ『新宿野戦病院』第3話感想レビュー

宮藤官九郎による完全オリジナル脚本のドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ系)が放送中。小池栄子と仲野太賀のW主演の本作は、新宿・歌舞伎町にたたずむ病院を舞台にした新たな救急医療エンターテインメントだ。早速、第2話の物語を振り返る。(文・野原まりこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

小ネタの塩梅にクセになる人が続出

ドラマ『新宿野線病院』第3話 ©フジテレビ
ドラマ『新宿野線病院』第3話 ©フジテレビ

 聖まごころ病院に顔面に大怪我を負った不法滞在のアゼルバイジャン人が運ばれてくる。経理担当・白木愛(高畑淳子)は、ヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)が来てからというものの、お金がない患者でも受け入れてしまうことから病院の経営方針に不満を持ち、院長・高峰啓介(柄本明)に「休みがほしい」と直談判する。

 白木の訴えにより、聖まごころ病院は日曜休診・月曜は救急のみの診療になったが、そこに目をつけた啓介の弟であり不動産コンサルタントの高峰啓三(生瀬勝久)が、息子である享(仲野太賀)と月曜限定でビューティークリニックを開業。箔を付けるために享をホストクラブに体験入店させた上、新宿の街に宣伝トラックまで走らせるほどの力の入れようであった。

 この宣伝活動が功を奏したのか、謎の美容系美魔女インフルエンサーのイ・オンナ(余貴美子)が来院し、SNSに施術内容を投稿したことから予約が殺到。啓三は美容機器を導入し、ビューティークリニックの人気獲得を狙うが、それをよく思わない啓介は批判した。

 一方、看護師長の堀井しのぶ(塚地武雅)は、大切にとっておいたペヤング泥棒に悩まされていた。そこで白木や警察官の岡本勇太(濱田岳)と、監視カメラの映像をチェックすることに。映像には顔面に大怪我を負ったアゼルバイジャン人が運ばれてきた日に病院にやってきた外国人が映っていた。そこへ突然背後に現れたイ・オンナは、映像に映った男をみて「売人の手をしている」と言う…。

 その売人の外国人は夜な夜な病院に忍び込み、病院で寝泊まりしているヨウコに襲いかかるのであった。

 満を辞して登場した余貴美子や、トー横キッズのマユを演じる伊東蒼など、濃いキャラクターたちが織りなすクドカンワールドに、今回も注目が集まった新宿野戦病院。

 現代社会の闇を浮き彫りにした切れ味のある展開と、時おり挟み込まれる小ネタの塩梅に、クセになる人が続出しているようだ。

 今回は、家庭環境が悪くどこにも居場所がない自分を、“そういう子”と表現されることに違和感を覚えたマユの「いいです、そういうドラマが好きなら、うちそういう子の役で」という、やりきれないセリフに胸を打たれた視聴者が「こういうセリフを書くクドカンすごい」といった声が上がった。闇を抱える人の心に焦点を当て、きれいごとだけではない世の中をわざわざ表現に落とし込む宮藤の視点には毎度驚かされる。

 一方で、享のビューティークリニックのためにわざわざ走らせた宣伝トラックは、新宿でよく目にする光景だ。そうしたバカバカしさやある種の華やかさのような、新宿のおかしな文化を誇張して表現し、笑い昇華する腕もさすがだ。

 さらに次回予告に、ヨウコの英語と岡山弁まじりの話し方に思わず「英語と岡山弁混ぜて喋っていい日本人は藤井風だけ」とツッコミを入れてしまう享が映し出されており、藤井風ファンのみならず多くの視聴者の反応が寄せられた。

(文・野原まりこ)

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