ホーム » 投稿 » 5選記事 » 強烈な存在感でカリスマに…民放ドラマで“主役を食った名脇役”(1)悶えるほどかっこいい…最強の男といえば?

強烈な存在感でカリスマに…民放ドラマで“主役を食った名脇役”(1)悶えるほどかっこいい…最強の男といえば?

text by 寺島武志

ドラマが名作足り得る条件の1つに、主人公だけでなく脇役にも魅力があることが挙げられるだろう。中には、主人公を食ってしまうほどの存在感を放ち、ドラマ終了後も視聴者の脳裏に存在を刻みつける存在も少なくない。今回は過去に放送された民放ドラマで、最も異彩を放った名脇役5人をセレクト。作品の魅力とともに紹介する。(文・寺島武志)

ーーーーーーーーーー

若者に刺さりまくる名言連発…。
池袋を牛耳るカリスマ的存在

『池袋ウエストゲートパーク』窪塚洋介(安藤タカシ役)

窪塚洋介【Getty Images】
窪塚洋介Getty Images

放送期間:2000年4月14日~6月23日
放送時間:金曜21:00~21:54
放送局:TBS系
脚本:宮藤官九郎
原作:石田衣良
最高視聴率:16.2%
キャスト:長瀬智也、加藤あい、山下智久、佐藤隆太、阿部サダヲ、坂口憲二、妻夫木聡、高橋一生、矢沢心、小雪、きたろう、森下愛子、渡辺謙

【作品内容】

“池袋のトラブルシューター”と呼ばれる果物屋の息子のマコト(長瀬智也)が、池袋西口公園を根城に、依頼を受け、仲間とともにさまざまな揉め事を解決していく痛快なストーリー。

【注目ポイント】

2000年に放送され、今なお伝説と称されるドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)。当時の社会問題などを反映したストーリーで、出会い系、いじめ、引きこもり、DV、薬物などのエピソードが散りばめられ、若者を中心に人気ドラマとなった。

原作は石田衣良の同名小説だが、ドラマ版では、宮藤官九郎によって大幅な改変がなされた脚本となっている。ドラマがヒットした反面、暴力的・性的表現によって、放送中はTBSへの抗議電話が鳴りやまなかった上に、池袋の治安の悪さを描いたことで「こんなドラマだとは思わなかった」と、池袋西口公園での撮影にNGがかかった問題作でもあった。

「めんどくせえ!」が口癖なのに、困っている人を放っておけず、喧嘩も強い主人公・マコトを演じた長瀬智也は、男も憧れる主人公を鮮やかに体現し、俳優としての評価を盤石なものとした。その他、本作を機にブレークを果たした若手俳優も多く、妻夫木聡、坂口憲二、山下智久、高橋一生らが、ここから大きく羽ばたいている。

そんなキャスト陣の中で、最も強烈なインパクトを残したのが、マコトの高校時代の同級生”キング”こと安藤崇を演じた窪塚洋介だ。

池袋で、黄色の服を纏いながら行動するカラーギャング「G-Boys」を、暴力とカリスマ性でまとめ上げ、ケンカの実力は池袋最強。そのキレっぷりは、当時、社会問題化していたカラーギャングの恐ろしさを露わにしていた。

そのいかつい風貌や悪行三昧の一方で、崇は若者に刺さるセリフを数多く残している。

「悪いことすんなって言ってんじゃないの ダサいことすんなって言ってんの わかる?」
「強いだけじゃ誰もついて来ないのよ キングと張り合うんだったらもっと頭使いなさい」

これらは“キングの名言集”としてまとめられ、放送からおよそ四半世紀が経過した2023年、Netflixでの配信が開始されたことを記念して、当時の窪塚と、崇の名セリフをプリントしたフォトメッセージTシャツが発売された。本作が伝説のドラマであるのかをよく示すエピソードではないだろうか。

【関連記事】
強烈な存在感でカリスマに…民放ドラマで“主役を食った名脇役”(2)
強烈な存在感でカリスマに…民放ドラマで“主役を食った名脇役”(3)
強烈な存在感でカリスマに…民放ドラマで“主役を食った名脇役”(全作品紹介)

error: Content is protected !!