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森山未來は声でもスゴい…映画『化け猫あんずちゃん』考察&評価レビュー。秀逸なラストへ繋がる伏線とは?

text by ZAKKY

いましろたかしによる漫画を原作とした映画『化け猫あんずちゃん』が現在公開中だ。主人公のあんずちゃんを森山未來が演じ、山下敦弘と久野遥子がダブル監督を務めた本作。今回は、不思議な世界で成長する少女かりん(五藤希愛)に注目しながら、作品の魅力に迫る。(文・ ZAKKY)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

俳優のリアルな動きと表情が映し出される

©いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会
©いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

 『コミックボンボン』(講談社)にて2006年~2007年まで連載された、知る人ぞ知るニッチな人気を誇った、いましろたかし原作の本作。

 今回異色なのは、久野遥子と山下敦弘がダブルで監督に就任している点だ。その背景には斬新な手法がある。

 本作では実写で撮影した映像からトレースし、アニメーションにする「ロトスコープ」という⼿法を採⽤している。従来、ロトスコープは、演奏シーンやダンスなど ⼈間の動きをリアルにアニメーション化する事で⽤いられる事が多いとされている。

 この技法を使って製作され、森山未來はじめとするキャストたちの“声”、“動き”、“表情”など、演者のアクションを、山下敦弘監督が撮影し、久野遥子がアニメーション監督として仕上げているのだ。特報映像では実写版の映像も公開されており、いつか実写ダイジェスト版として世に出してほしいと願うばかりだ。

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