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岡田将生の演技に泣かされた…優三(仲野太賀)を思い出す瞬間も? NHK朝ドラ『虎に翼』解説&感想レビュー

伊藤沙莉主演のNHK朝ドラ『虎に翼』。本作は、昭和初期の男尊女卑に真っ向から立ち向かい、日本初の女性弁護士、そして判事になった人物の情熱あふれる姿を描く。「七人の子は生すとも女に心許すな?」と題した第18週では、岡田将生演じる航一の「ごめんなさい」の意味が明らかとなった。【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

朝鮮人への偏見と言葉の壁で危うく冤罪に…。

連続テレビ小説『虎に翼』第18週
連続テレビ小説『虎に翼』©NHK

「七人の子は生すとも女に心許すな?」と題された「虎に翼」第18週。稲(田中真弓)は寅子(伊藤沙莉)のことを、「優しいから知らぬ間に心が寄り添ってしまう」と評し、それを航一(岡田将生)が「なるほど」と聞いていた。差別問題、そしてついになされた航一の過去の告白と、重いテーマが散りばめられた5話分を振り返る。

 スマートボール場で放火事件が発生。容疑者は経営者の朝鮮人だった。警察関係者や入倉(岡部ひろき)の「これだから朝鮮の連中は…」といった態度を、寅子は差別をするなとたしなめる。「火のないところに煙は立たない」と譲らない入倉に、航一は関東大震災後、噂を発端として罪のない朝鮮人が殺されたことを話す。重要なのは、「煙を立てたのは誰か見極める」ことだと。

 これは時を経たいまなお、わたしたちがまだまだできずにいることだ。誰かのそれらしい一言に心をざわつかせ、バッシングの波が起きる。何にも動じない聖人君子にはなれずとも、もう少し冷静な判断ができるようにならねばと改めて肝に銘じたい。

 放火事件の裁判は、容疑者が弟に宛てた手紙が見つかったことで一気に動き出す。そこには「私が中を完全に燃やしてしまったせいで…」という文言があり、これによって容疑が濃厚となる。しかし、いくら朝鮮語を翻訳した文章だとしてもなにかがおかしい。寅子は東京から汐見夫妻(平埜生成、ハ・ヨンス)を呼び寄せ、香子に手紙を読んでもらった。久しぶりの家裁メンバーの登場がうれしい。

 すると、手紙に書かれていたのは「私が気を揉ませてしまったせいで」だということが判明する。慣用句を誤訳していたのだ。これが今回の「煙」の正体といえるだろう。朝鮮人に対する偏見と、言葉の壁。それによって誤解が生まれてしまった。

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