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衝撃のラストシーン…歴代「南くん」シリーズファンには堪らない演出とは? ドラマ『南くんが恋人!?』第4話レビュー

text by 西本沙織

飯沼愛主演、八木勇征(FANTASTICS)が出演するドラマ『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)が現在放送中だ。幾度となく映像化を果たした名作『南くんの恋人』が、南くんが手のひらサイズになる男女逆転バージョンとして蘇った。今回は、第4話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:西本沙織】

1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。

「南くん人形」でバレるリスクを回避!?

『南くんが恋人!?』第4話 ©テレビ朝日
『南くんが恋人!?』第4話 ©テレビ朝日

 第4話は、家族のほっこりするシーンから始まる。堀切家は、ちよみ(飯沼愛)の行動を怪しんでいた。そんな中、ちよみが部屋で南くん(八木勇征)と話していることに気づく母・楓(木村佳乃)。様子のおかしい娘を前に、楓は核心をついた一言を放つ。

「ちよみ、小さな南くんがいるの?」

 ちよみの返事は、「いるよ」。ついに小さな南くんの存在を明かすのか…と思いきや、ちよみが楓に見せたのは“南くん人形”だった。南くん人形を掲げ、「どうも~南で~す、浩之で~す、よろしくぅ!」と、少しおどけながら南くんの真似をするちよみ。これが絶妙に似ていなくて、笑える。“チャラさ”を感じるモノマネには南くん本人も納得いかなかったようで、可愛く怒りをあらわにしていたのがまた可笑しい。

 そして、これに対抗したのが楓だ。取り出してきたのは、フクロウのぬいぐるみ。「やあ、南くん!ボクの名前はホーちゃんだよ」とフクロウにアテレコし、南くん人形に話しかける。記者会見で木村はこのシーンについて、どう演じたらいいのか唖然としたと語っていた。そんな迷いを一切感じさせることなく、裏声を巧みに使ってフクロウになりきる木村佳乃の姿には、女優魂を感じずにはいられない。

 それからというもの、堀切家は人形を介して会話をするようになる。父・信太郎(武田真治)はクラフティングドールを、祖母・百合子(加賀まりこ)はマネキンの“ピエール”を、弟・拓真(番家天嵩)は魔王のフィギュアを持ち、それぞれを個性的に演じていた。端からみればカオスでしかないが、それもこれもちよみの気持ちに共感を示すための行動。なんていい家族なんだと、思わずしみじみしてしまう場面だ。

 考えてみれば、これはちよみと南くんにとっていい流れでもある。南くん人形との生活が浸透すれば、南くんにご飯を作ることも、話しかけることも、なんら不自然なことではない。人形を使ってカムフラージュすることで、“バレる”という一番のリスクを回避できるのだ。

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