奥野壮”城島”の名演に涙腺崩壊…ギャグシーンで再び泣かされた理由とは? 『ビリオン×スクール』第8話考察レビュー
山田涼介主演のドラマ『ビリオン×スクール』は、日本一の財閥系企業のトップである億万長者が、身分を隠して高校教師となり、生徒と様々な問題を通して成長する痛快・学園エンターテインメント。今回は、第8話のレビューをお届けする。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
0組のナンバー2・城島との対峙
第8話では、加賀美零(山田涼介)が絵都学園に赴任して初のスポーツ大会が開催される。毎年トラブルばかり起こす0組は出場資格を剥奪されていたが、「全競技最下位なら加賀美をクビにする」という条件で出場が許されることに。
さっそくティーチ(安達祐実)と作戦を練る加賀美は唯一勝率のある男子リレーに賭け、元陸上部のエース・城島佑(奥野壮)をメンバーの1人に選定するのだった。
しかし、これまで生徒たちを更生させてきた成功パターンは城島には通用しない。加賀美は作戦を変更し、城島の代わりに選んだ西谷翔(水沢林太郎)をはじめ、他のメンバーを大会までに鍛えようとする。
一方で教師としての自覚が湧いてきたのか、取り合ってもメリットはないはずなのに城島のことを放っておけない加賀美。とことん向き合うことを決め、彼が住む寮を訪ねる。そこで明らかになるのは、城島の東堂雪美(大原梓)に対する熱い思いだ。
雪美からの電話を受け、反発する加賀美に頭を下げてまで彼女のもとへ一目散に駆けつけた城島。そこまで尽くす理由は、彼にとって雪美が命の恩人だから。
城島はかつて陸上部のエースだったが、怪我で陸上部引退を余儀なくされた。自分の価値を信じられなくなり、もう死のうとトラックの前に飛び出そうとしたその時。声をかけてくれたのが、雪美だったのだ。
それをきっかけに話すようになった二人だが、雪美が校長の娘ということで陰口を叩かれるように。そんな彼女を守るために不良となった城島。
これまでは手がつけられない粗暴な生徒に思えていたが、どんどん自分から人が離れていく不安に怯える雪美を見つめる瞳は優しい。城島も本当は心のどこかで加賀美のことを認めているが、雪美のためにも取り込まれるわけにはいかなかった。