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2024年夏ドラマで最も株を上げた俳優は? 最高の演技で魅了する役者5選。芝居が上手すぎる…圧巻の実力で魅せる旬の才能

灼熱の暑さに呼応するかの如く、2024年の夏ドラマもアツイ! 今回は、現在放送中の夏ドラマに出演する俳優をピックアップ。あの実力派俳優から、新境地を開拓し新たな顔を見せる俳優まで、最も役者として株を上げた注目の俳優5人を選出し、その魅力を解説する。(文・あまのさき)

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

言葉なんかいらない…。底知れぬ実力の持ち主

池松壮亮『海のはじまり』(フジテレビ系)

池松壮亮
池松壮亮Getty Images

『海のはじまり』における池松壮亮演じる津野の立ち位置は、辛い。

津野はシングルマザーとして海(泉谷星奈)を育てながら仕事に奮闘しつつ闘病していた水季(古川琴音)に、淡い恋心を抱いていた。水季がかなり津野を頼っていたことがわかる描写は多数あれど、2人の関係が進展することはなかった。

そんな彼女がこの世を去った。そして、海の父親である夏(目黒蓮)が現れた。それによって津野は、水季達母娘にもっとも近い存在から、一気に外野へと押しやられていく。海と遊ぶことも、水季を偲ぶことも、意図的に避けるようになっていた。

特に第7話では、津野の哀しみが色濃く描かれた。すべてを1人でこなそうとする水季をどんなふうに助けたのか。どれだけ海の面倒を見ていたのか。病に苦しむ水季をどうやって支えたのか。もちろん、それが津野にとっての喜びであったことも、池松の表情が雄弁に物語っていた。

印象的だったのは水季が亡くなったと母親の朱音(大竹しのぶ)から連絡を受けたときだ。いつ“そのとき”がきてもおかしくないという覚悟はできていたのだろう。それでも、電話に表示された名前にたじろぎ、覚悟を決めて電話を受ける。一言も発さぬまま、胸を擦りながら声を押し殺して泣く。

津野の辛さが、痛みとなってこちら側に伝染してきた。言葉なんかいらない、池松壮亮の役者としての底の知れなさを垣間見た。

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