八木勇征”別世界の南くん”が切ない…物語のヒントとなりそうな言葉とは? ドラマ『南くんが恋人!?』第6話考察レビュー
text by 西本沙織
飯沼愛主演、八木勇征(FANTASTICS)が出演するドラマ『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)が現在放送中だ。幾度となく映像化を果たした名作『南くんの恋人』が、南くんが手のひらサイズになる男女逆転バージョンとして蘇った。今回は、第6話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:西本沙織】
1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。
ちよみの実父・たけし(富澤たけし)が堀切家に!
人生のタイムリミットまで、あと少しかもしれない。そう考えたときに真っ先に浮かぶのは、恋人や家族など、愛する人の顔だろう。自分がいなくなった後、大切な人がちゃんと生きていけるように…。そう思って突き放すのも、きっとひとつの愛の形なのではないだろうか。
『南くんが恋人!?』第6話では、さまざまな愛の形が示された。夏祭りが終わった後の一家団欒。ひとり悩ましげな表情をしていたのが、父・信太郎(武田真治)だ。彼は以前、ちよみ(飯沼愛)が15cmの南くん(八木勇征)と会話しているところを目撃してしまう。
ちよみが隠し通そうとしているのに、果たして誰かに話していいものなのか。家族に挙動不審の理由を聞かれる信太郎だったが、「信じて待ってもらえませんか」と頼み込む。口をつぐむことで、ちよみの大事な秘密を守り抜いたのだ。
そんな折、ちよみの実の父親・たけし(富澤たけし)が堀切家にやってくる。たけしはちよみの祖母・百合子(加賀まりこ)に愛想をつかされ追い出された、典型的な“ダメ男”。他人を飄々と自分のペースに巻き込むたけしの喋りは、まるでひとつのコントを見ているかのように軽妙だ。堀切家にとっては厄介者だが、どこか憎めないキャラクターである。
百合子は縁を切るという条件付きで、お金の入った封筒を差し出す。なかなか受け取らないたけしに先手を打ったのは、ちよみだった。実の娘の気持ちを理解したのか、お金を手にして素直に出て行こうとする。去り際にちよみと話をしたたけしの表情は、娘を見守るしっかりした父親の顔だった。