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中島健人が名言連発…独特なセリフ回しの裏にある説得力とは?ドラマ『しょせん他人事ですから 』第5話レビュー

text by 柚月裕実

中島健人主演のドラマ8『しょせん他人事ですから 〜とある弁護士の本音の仕事〜』(テレビ東京系)が放送中。本作は、原作・左藤真通、作画・富士屋カツヒトによる同名コミックを原作とした新時代のリーガルドラマ。今回は、第5話のレビューをお届けする。(文・柚月裕実)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:柚月裕実】

エンタメ分野の編集/ライター。音楽メディア、エンタメ誌等で執筆中。コラムやレビュー、インタビュー取材をメインにライターと編集を行ったり来たり。SMAPをきっかけにアイドルを応援すること四半世紀超。コンサートをはじめ舞台、ドラマ、映画、バラエティ、ラジオ、YouTube…365日ウォッチしています。

デジタルタトゥーに悩む依頼者
「前科は消せないから」の言葉が重みを増す…。

『しょせん他人事ですから』第5話©「しょせん他人事ですから」製作委員会
『しょせん他人事ですから』第5話©「しょせん他人事ですから」製作委員会

 今回の依頼者は、酔った勢いで同僚にケガを負わせてしまい逮捕され、それから10年間デジタルタトゥーに悩んでいるドーナツ店・店長の黒川大樹(浅利陽介)だ。

 黒川は10年前、飲みの席で口論になった会社の同僚・鏑木香織(入山法子)を突き飛ばしてケガを負わせてしまった。傷害事件として執行猶予付きの判決が下され、会社は退職。ニュースになったことで噂が広がり、家族からも見放され、ネットでは誹謗中傷の投稿が相次いだ。

 就職が困難などの支障はあったものの、それでも現在はドーナツ店を開き、妻・黒川知代(佐津川愛美)と娘がいる。しかし、黒川は「この先娘が自分の名前を検索したら…」と将来を案じて、ネット上の記事を消せないかと相談にやってきた。ところが保田は「無理というか難しいので止めましょう」とバッサリ、そしてドーナツをパクリ…。相変わらずの保田ペースだ。

 ネットの海に無数に放たれた該当記事。表現の自由など、法律との戦いでもある。保田は一通り説明したものの、それでも黒川は戦うと覚悟を決め、保田もすんなりと依頼を受け入れた。第1話からどんな相談であろうと、まずは依頼者に決心や覚悟があるかどうかを見極めてきた保田。腹を括った依頼者の味方なのだ。

 一部のサイトが記事の削除に応じるなど順調に思えたが、今度は鏑木が事件を起こしてしまい、実名報道によって黒川の過去の事件も掘り起こされてしまう。一度でもネットに出た情報はそう簡単には回収できないのだと、その恐ろしさを思い知らされる。保田がところどころで話していた「前科は消せないからね~」の言葉がどんどん重みを増していく。

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