松村北斗とのハグシーンが愛おしい…松本若菜の演技力を再確認したワケ。『西園寺さんは家事をしない』第8話考察レビュー
松本若菜主演、松村北斗共演のドラマ『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)が放送中。本作は、家事をしない主人公・西園寺さんが年下の訳ありシングルファーザーと「偽家族」として暮らすハートフルラブコメディ。今回は、第8話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
瑠衣(松井愛莉)が遺したメッセージ
『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)第8話、瑠衣(松井愛莉)が最期に語った「1年くらいは想い続けてくれないと、わたし化けて出ちゃいそうで…」という言葉から、楠見くん(松村北斗)への深い愛が伝わってきて、涙が止まらなかった。
瑠衣は楠見くんを心から愛していた。だから、ずっと苦しんではほしくなかったのだろう。それでも、すぐに忘れて新しい恋をされるのも、ちょっぴり寂しい。だからこその、“1年”。この期間には、瑠衣の最後のわがままと、楠見くんへの深い愛が込められている。
「解かれた数式が、脳に語りかけてくるんですよね。ここは、通過点です。先へ進みなさいって」
学生時代、瑠衣が無邪気に語っていた言葉が、今になって生きてくるとは思ってもみなかった。楠見くんと瑠衣をつないでいた“ある数式”。答えが分からないままなら、楠見くんはその数式とずっと向き合い続けることになる。つまり、それは瑠衣を忘れられないということだ。
大学の同級生・エリサ(太田莉菜)に、「わたしが死んでから1年後に渡して」と、その数式を解くヒントを渡したのは、「ここは、通過点です」「先へ進みなさい」というメッセージを楠見くんに伝えるため。そのメッセージを受け取ったとき、楠見くんが流した涙にはさまざまな感情が混じり合っているように感じた。
楠見くんは、いまも瑠衣を愛しているのだろう。でも、心のどこかでは“愛し続けなければならない”という義務感もあったのかもしれない。若くして亡くなった妻を忘れて、新しい恋をするべきではない。娘のルカ(倉田瑛茉)のためにも、ずっと瑠衣をいちばんに愛し続けていくべきだ…と。