「役者ならではの快感があった」映画『マンガ家、堀マモル』で主演を務める山下幸輝単独インタビュー。俳優としての展望を語る
text by 斎藤香
映画『マンガ家、堀マモル』の主演を務める山下幸輝さんへのインタビューをお届け。日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)や『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)など話題のドラマに次々出演する人気急上昇中の山下さんに、撮影の裏側とキャリアについて語ってもらった。(取材・文:斎藤香)
「主人公のマモルと僕は性格がソックリなんです」
初の漫画家役に挑戦
写真:武馬怜子
―――映画『マンガ家、堀マモル』は、物語、映画、漫画、主題歌が生まれていくというメディアミックス作品です。繊細なマモル役をナチュラルに流れるように演じていましたが、脚本を読んですぐに役の特徴を掴むことはできましたか?
「思っていることを素直に言葉にできないところや、物事を深いところまで考えすぎて自分の気持ちを表に出すことに躊躇してしまうところなど、僕にソックリです。
『こんなこと言ったら、次に会ったときに気まずい空気になってしまうかも…』とか、そんなに考えなくてもいいのにということまでつい考えてしまって…マモルもそういうところがあるから、脚本を読んだとき『めっちゃ似てる!』と驚きました」
―――では、役を解釈するのにはそれほど苦労しなかったのですね。
「正直、マモルのキャラクターについては掘り下げなくても、似ているから変に考えすぎない方がいいと思いましたし、監督からも『それでいいよ』と言われました」
―――ただマンガ家の役で、絵を描くシーンもありますよね。そこはどうやってクリアしたのでしょうか?
「マモルの漫画家としてのスタイルについては、漫画家の先生に漫画を描く際のペンの持ち方、ペン捌き、体の使い方など、細かく教えてもらいました。マモルは漫画を描くときに、紙を斜めに置いて描くので、そういう細かい動作も気をつけましたし、立っているときも猫背気味なので、意識してポーズを作っていきました」
―――マモル役においては、まず見た目やスタイルを重要視して作り上げていったんですね。
「そうですね。普通に絵を描いていても漫画家には見えないので、堀マモルという漫画家のスタイルから入って、役を立ち上げていきました」