またしても家族のピンチ…河合優実”七実”を支える頼もしい名脇役たちとは? NHKドラマ『かぞかぞ』第7話考察レビュー
text by 明日菜子
河合優実主演のNHKドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』が地上波にて放送中。岸田奈美のエッセイを元にした本作は、2023年にNHKBSプレミアム・ NHKBS4Kで放送され大反響を呼んだ。今回は、第7話のレビューをお届け。(文・ 明日菜子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:明日菜子】
視聴ドラマは毎クール25本以上のドラマウォッチャー。文春オンライン、Real Sound、マイナビウーマンなどに寄稿。映画ナタリーの座談会企画にも参加。
順風満帆な作家人生に再び降りかかる困難…。
年齢を重ねるにつれ、“変化”というものをだんだん切なく感じるようになった。特に親や祖父母が変わっていく姿を目の当たりにするのは、なかなか堪えるものがある。突然の事故や病気で一瞬にして変わることもあれば、本人も気付かぬうちに、徐々に変わりゆくこともあるだろう。
何度経験してもその変化に慣れることはない。受け止める側の根底にあるのは、当たり前の日常に慣れきった傲慢さではなく、「変わらないままでいてほしい」という切実な願いだ。
父の死、母の大病と怒涛の展開つづきだった『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK総合)は、ひっそりと家族の“老い”を描くフェーズに入った。波乱万丈な岸本家だけではなく、誰もが経験する切ない変化。
これで一件落着…となかなか腰を下ろせないのが、今作が“トゥルーストーリー(ほぼ)”である所以だ。
七実(河合優実)が作家人生を歩み始めてから3年の月日が経っていた。現在は住まいを東京に移しており、家族と離れて暮らしている。デビュー作「大丈夫じゃない日々、大丈夫な家族」は幾度も重版がかかるほどの大ヒット。
そのタイトルになぞらえて「今はマジで“大丈夫”な家族になりました」と七実が答えるくらい、岸本家は順調な毎日を送っていたのだが…ふたたび困難が降りかかる。