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「辛い過去をテーマにした」アカデミー賞前哨戦を制したのは巨匠・スピルバーグ! 授賞式で感動的なスピーチを披露

text by 編集部

2023年1月10日(※現地時間)に行われた第80回ゴールデングローブ賞授賞式。最新作『フェイブルマン』で作品賞(ドラマ部門)と監督賞に選ばれたスティーブン・スピルバーグ。授賞式では、嬉しさを爆発させると同時に、本作を完成させるまでの苦労についても語ったようだ。早速その内容を現地のメディアを参考に見ていこう。

巨匠スティーブン・スピルバーグ
自伝的映画でゴールデングローブ賞2冠を達成

2023年1月10日(※現地時間)に行われた第80回ゴールデングローブ賞授賞式。スティーブン・スピルバーグ監督は、最新作『フェイブルマンズ』(3月3日公開)が、作品賞(ドラマ部門)と監督賞に選ばれ、彼の映画キャリアで合計9回目の受賞となった。

米colliderが報じるところによると、自伝的映画『The Fabelmans(原題)』で受賞をしたスピルバーグ監督は、映画の内容が、両親の離婚など、自身の辛い過去をテーマにしているため、スクリーンで皆と共有することをためらい、勇気を出して撮影に挑んだという。

受賞スピーチで語ったスピルバーグの言葉の一部を紹介しよう。

「私はこの物語に、多くのものをつぎ込みました。今までも、映画『E.T. 』や『未知との遭遇』、『ミュンヘン』、『ウエスト・サイド・ストーリー』 などを通じて、(自身の物語を)小分けにして語ってきたんだ」

「妻のケイトは、いつも『これを皆にどうか伝えて欲しい』と私に言っていた。コロナウィルスが流行していた間、私たちの誰もが、自分の物語を、語る機会が再び訪れるのかわかりませんでした」

自身の生い立ちに着想を得た映画『フェイブルマンズ』は、俳優のガブリエル・ラベルが、アリゾナ州と、北カリフォルニアで育った映画好きのティーンエイジャーを演じており、脚本賞をはじめ、スピルバーグの母親を演じたミシェル・ウィリアムズの助演女優賞など、グローブ賞で計5部門にノミネートされ、最優秀映画賞(ドラマ部門)も受賞している。

スピルバーグ監督は、「これまでやってきたことで、子供でいることは、簡単なことではないという事実を、正直に話す準備ができた。誰もが私をサクセスストーリーと見ている。でも、誰も私たち自身が一体何者なのか、ということは、勇気を出して、それぞれが皆に伝えるまで誰も知るはずがないんだ」

「いつその話をすればいいのか、時間をかけて自分なりに考えたんだ。そして74歳になったときにようやくわかった。私は自分自身に『今やったほうがいい』と言いました。それを行動に移すことができて本当に幸せです」と語った。

今年のゴールデングローブ賞の監督賞部門では、ジェームズ・キャメロン監督『アバター : ザ・ウェイ・オブ・ウォーター』、ダニエル・クワン監督とダニエル・シャイナート監督『エブリシング・エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、バズ・ラーマン監督『エルヴィス』、マーティン・マクドナー監督『イニシェリンの島の精霊』がラインナップしていた。

2022年にハリウッド外国人記者協会の多様性や、その他の説明責任の問題が明るみに出て、タレント、メディア、クリエイターからボイコットされ、テレビ放映がされなかったゴールデングローブ賞。2023年はゴールデングローブ賞復活の年となった。

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