ラストの余韻が凄い…ドラマ『南くんが恋人!?』が後世に語り継がれるべき理由とは? 最終話考察レビュー
text by 西本沙織
飯沼愛主演、八木勇征(FANTASTICS)が出演するドラマ『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)が最終話を迎えた。幾度となく映像化を果たした名作『南くんの恋人』が、南くんが手のひらサイズになる男女逆転バージョンとして蘇った本作。今回は、最終話のレビューをお届け。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:西本沙織】
1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。
ひと夏が終わったかのような寂しさを含む終幕…。
「愛してるってこういうことなんだ」
自分より南くんが好き。この感情を“愛”と呼ぶのだと、ちよみ(飯沼愛)は悟る。
朝起きると、南くん(八木勇征)が「おはよう」と声を掛けてくれる。キスを求めてくれる。そんな当たり前の日々が、明日にはなくなるかもしれない。
南くんがいなければ不安になり、姿があれば安心する。いつものように振舞いながらも、“いつかの日”を見ないように、一瞬一瞬を噛みしめるように、二人は日常を過ごしていた。同居生活が始まった頃の心沸き立つ感覚は、もうないに等しい。
ちよみの家族と食卓を囲む南くんは、すっかり家族の一員だ。ずっと一緒に暮らしてきたかのように溶け込んでいる。「小さいなんて、なんてことないのよ」そう言ってのけるのは、ちよみの祖母・百合子(加賀まりこ)だった。
もともと堀切家は、百合子と楓(木村佳乃)に血の繋がりがなかったり、信太郎(武田真治)が楓の再婚相手であったり、少々入り組んでいる。さまざまな家族のカタチがある今の時代、堀切家が“普通じゃない”とは言わないが、少し複雑だからこそ南くんが馴染んでいられる。
“こうでなきゃならないなんてのは、くだらない”。それを体現するちよみの家族は、南くんにとってどんなに心地のいい居場所だっただろう。