歴代最高の朝ドラ俳優は? 社会現象を巻き起こした男たち(4)繊細な芝居でブレイク…視聴率アップに貢献した男
役者の登竜門ともいえる朝ドラ。ヒロインオーディションを勝ち残って主演を務めた女優にはブレイクへの道が約束されている。しかし、何も注目されるのは女優だけでない。同様に、共演する俳優への注目度も高いのだ。そこで今回は、朝ドラへの出演で印象を残し、ブレイクのきっかけを掴んだ俳優を5人セレクトしてご紹介する。第4回。(文・shuya)
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貫禄の芝居で視聴率の底上げに貢献
松下洸平『スカーレット』(2019)
シンガーソングライターに俳優とマルチな活躍をみせている松下洸平。ドラマ『9ボーダー』(2024、TBS系)では記憶喪失になった男、大河ドラマ『光る君へ』(2024)では、ミステリアスな見習い医師・周明と、いずれも難しい役を見事に好演。2024年は、松下洸平の年と言っても過言ではない活躍ぶりを見せている。
さて、そんな松下だが、中村倫也などと同様、遅咲きの俳優として知られている。今では主演を務めることも多いが、ブレイクのきっかけをつかんだ作品は朝ドラ『スカーレット』である。
『スカーレット』は2019年後期に放送された朝ドラだ。滋賀県の信楽を舞台に、女性陶芸家・川原喜美子さんの半生を描いている。実力派女優の戸田恵梨香がヒロインを務めたことでも話題を集めた。
松下は、同ドラマで陶工・十代田八郎役として出演。八郎の素朴で誠実、さらに少し乙女な雰囲気を巧みに作り上げ、お茶の間から多くの共感を得た。
お茶の間の松下への支持を雄弁に示しているのが、『スカーレット』の視聴率の変動である。実は物語の関係上、松下には出演機会がない期間があった。その時、本作の視聴率は一度失速したものの、松下が再登場した辺りから再び数字が上向いたというデータがあるのだ。
裏を返すと、彼が出演していなかった間、「八郎ロス」に陥った人がいかに多かったのかがよくわかる。爽やかで優しく、昭和の世界観がマッチする松下に、素朴で誠実な八郎というキャラクターはこれ以上ないハマり役だった。
彼がどんな役を演じていくのか。今後の活躍からも目が離せない。
(文・shuya)
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