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結末に賛否両論…水季の行動は何がおかしい? 全ての答えとなる弥生の言葉とは? 『海のはじまり』最終話考察&感想レビュー

目黒蓮主演の月9ドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)。最終話は、水季(古川琴音)への気持ちのズレから衝突してしまった夏(目黒蓮)と海(泉谷星奈)の心が再び1つになり、共に前を向いて歩く姿が描かれた。一方で、弥生(有村架純)や水季の心情にも注目が寄せられた。(文・野原まりこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

『海のはじまり』最終回はハッピーエンド?

『海のはじまり』第12話より ©フジテレビ
『海のはじまり』第12話より ©フジテレビ

 「夏くんへ」と題した最終話では、夏(目黒蓮)と海(泉谷星奈)が水季(古川琴音)との思い出の海岸で“海のはじまり”に思いを馳せる、感動の終焉が描かれた。

 水季が夏にあてた手紙には、海の成長を見守ってほしいという旨が記されており、夏はその期待に応えて、海の父親になることを選んだ。この結末は、一見ハッピーエンドのように見える。ところが、この水季の手紙の是非について議論が巻き起こっている。

 元々、夏には海のことを知らせずに1人で子育てしていた水季だったが、自分の病気から海の先行きを案じ、一度は、海を連れて夏のアパートを訪れたことがあった。しかし、現彼女の弥生(有村架純)といるのを目撃し、直接顔を合わせることはなかった。そして、死の間際に、夏と弥生に手紙を残したのだ。
 
 夏に知らせなかったことも、死ぬまで夏と会おうとしなかったことも、そして手紙を託したことも、身も蓋もない言い方をすれば、全ては水季の一方的な行動だ。
 
 水季に対して「自分勝手すぎる」「共感できない」という声が寄せられるのも、もっともだと思う。しかし、『海のはじまり』の結末は、あくまでもこれからも続く人生の通過点だ。
  
 夏の休日出勤のピンチヒッターとして訪れた弥生が、帰り際に「パパ頑張ってるね、自信ついた?」と尋ねる。「う〜ん」とぼんやり返す夏に、弥生は「“はい”か“いいえ”で答えられることなんてないか」と話す。この言葉に全てが詰まっていると筆者は感じるのだ。

 “海のはじまり”がはっきりしないのと同じように、人間の感情は白黒はっきりつけられるものではない。

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