小雪”九条”の意味深な表情の意味とは? 続編を希望するワケ。ドラマ『スカイキャッスル』最終話考察レビュー
text by 菜本かな
松下奈緒主演のドラマ『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)が完結を迎えた。人気韓国ドラマを原作とした本作は、高級住宅街「スカイキャッスル」を舞台に、秘密を抱えたセレブ妻たちによる壮絶マウントバトルが描かれる。今回は、最終話のレビューをお届け。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
—————————
【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
あっていいはずの愛情が“毒”に変わる…。
“毒親”とは、子どもに対して悪影響を及ぼす親のことを指す。虐待やネグレクトなど分かりやすい“毒”であれば、誰が見ても“毒”だと分かる。でも、過保護や過干渉の場合は、ちょっとむずかしくて。親は悪気がないどころか、むしろ「子どものためにすべてを捧げてきた」と自信満々だったりする。
『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)の紗英(松下奈緒)も、香織(戸田菜穂)もそうだ。食事を与えなかったわけじゃない。むしろ、栄養たっぷりの料理を作ってきた。教育にもお金をかけて、時間だってたっぷり注いだ。自分のことは二の次で、子どものことをいちばんに考えてきた。
それなのに、なぜ? と戸惑ってしまうのも、無理はない。だって、足りないものがないのだから。注いだ愛も、使った時間も、すべてが“過多”だっただけ。愛を注ぐのは悪いことではないし、寂しい想いをさせないように、多くの時間をともにしようという考えも、間違っていない。でも、それが子どもにとって“重荷”になると、あっていいはずの愛情が“毒”に変わり始める。