史上最もぶっ飛んだ結末の邦画は? 観客おいてけぼりの迷作(3)絶対に騙される…最高の衝撃ラストとは?
映画を観ていて、先の展開やオチが読めてしまう作品はないだろうか? それはそれで内容が面白ければ、特に不満はないのだが、展開が予測不能の映画には、やはり心踊らされることもまた事実。今回は、そんな良くも悪くも「そう来るか!?」と驚かせてくれる作品を5本ピックアップした。今回は第3回。
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心地の良い大どんでん返しが待っている
『ダイ・ハード』の監督が仕掛けるサスペンス
『BASIC 閉ざされた森』 (2003)
上映時間:98分
製作国:アメリカ
監督:ジョン・マクティアナン
脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト
キャスト:ジョン・トラボルタ、コニー・ニールセン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョヴァンニ・リビシ、ブライアン・ヴァン・ホルト、テイ・ディグス、ティム・デイリー、クリスチャン・デ・ラ・フエンテ、ダッシュ・マイホック、ロゼリン・サンチェス
【作品内容】
パナマの米軍クレイトン基地から特別訓練に出た、ネイサン・ウエスト軍曹率いるレンジャー部隊。構成員は、レイモンド・ダンバー、リーヴァイ・ケンドル、パイク、カストロ、ミュラー、ニュニネズの計7人。
彼らは激しいハリケーンの中、消息を絶ってしまう。17時間後、捜索ヘリが現場へ向かい3名を発見するが、彼らは何故か銃を撃ち合っている。3名の内、ミュラーは死亡。
ケンドルは負傷のため病院に搬送される。クレイトン基地に拘束されたダンバーは黙秘を貫く。何が起こったのかが皆目検討が付かず、基地の女性尋問官ジュリー・オズボーン大尉は苛立ちを隠せない。
そんな中、ダンバーは「この基地以外のレンジャー隊に話す」の一点張りで、数字の「8」に丸をつけたメモを渡してきた。それを聞いた陸軍大佐ビル・スタイルズは、元レンジャー隊員で尋問を得意とする麻薬取締局捜査官トム・ハーディに、助力を求めることとなるが…。
【注目ポイント】
大ヒット作『ダイ・ハード』(1988)をはじめ、数々のアクション映画で腕を振るってきたジョン・マクティアナン監督が、初めてサスペンス映画に挑んだ作品。
オズボーン大尉は上司のスタイルズ大佐の命令により、元レンジャー隊員で尋問術に長けた麻薬捜査官トムの力を借りて調査を開始する。調査に非協力的だったダンバーとケンドルに尋問を進める中で、次第に2人の証言に矛盾が生じ始める。
やがて、事件の裏に、パナマからアメリカへ麻薬を密輸する軍内の巨大グループが関連していたことが明らかになってゆく…。
とにかく、登場人物の多さと各自の食い違う証言の妙など、上質なサスペンスが展開される。紆余曲折があり、主人公・オズボーンは、軍を離脱した者同士で作られた麻薬組織の名称が「セクション8」だと気付く。
そんな彼女に命を救われたトムはオズボーンに「話の辻褄さえ合ってりゃいいんだ」と言い残し、基地を去ってゆく。その後、トムはある建物に入って行く。目印には大きく数字の「8」が書かれている。
オズボーンはトムこそが「セクション8」の黒幕だと考え、銃口を向ける。その時、彼女の背後に何者かが近づき、振り返ると、そこにいたのはなんと死亡したはずのウエストだ。
驚くオズボーンをよそに、親しげに話すトムとウエスト。更にパイク、ダンバー、カストロ、ニュニネズまでもが現れる。実は「セクション8」とは、軍の内部調査機関として、麻薬に関わる人間を突き止めるため潜入捜査を行っていた組織であり、最後に現れた面々は、全てそのメンバーだったのだ。
裏の裏をかいた展開が最後に仕掛けられている。そして、オズボーンはセクション8への勧誘を受けるという、大オチが待ち構えている。よくある大どんでん返しとも言えるが、緻密な構成も含め、溜飲が下がるかのようなフィナーレに唸ってしまう一作だ。
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