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史上最も呪われた海外映画は? 悲惨な事故で知られる作品(2)どうして子役2人は絶命した? 映画史に残る悲劇

text by 阿部早苗

映画の現場では、多くのドラマが生まれる。私たちの知り得ない影の努力が身を結び、奇跡の連鎖で作品が作り出されている。一方で、撮影現場は危険がいっぱいだ。出演者だけでなく、スタッフにも思いがけない危険が襲い、死亡事故も後を絶たない。今回は、撮影時に不幸に見舞われた呪われた洋画を5本セレクトして紹介する。(文・阿部早苗)

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『トワイライトゾーン/超次元の体験』(1983)

ヴィック・モロー
ヴィック・モロー【Getty Images】

監督:ジョン・ランディス、スティーヴン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラー
脚本:ジョン・ランディス、ジョージ・クレイトン・ジョンソン、リチャード・マシスン、メリッサ・マシスン
出演:ダン・エイクロイド、ヴィック・モロー、スキャットマン・クローザース、ジョン・リスゴー

【作品内容】

 1960年前後にTV放送されたドラマシリーズの映画版で、スピルバーグ監督をはじめとする4人の監督が製作したオムニバス映画。1話では人種差別をしていた白人男性が店を出ると、そこは見知らぬ町だった。

【注目ポイント】

 『トワイライトゾーン』は、脚本家ロッド・サーリングが生み出した人気SFドラマシリーズ。映画版では『E.T』(1982)のスティーヴン・スピルバーグ、『ブルース・ブラザーズ』(1981)のジョン・ランディス、『グレムリン』(1984)のジョー・ダンテ、『マッド・マックス』シリーズのジョージ・ミラーといった現在では巨匠クラスの監督が名を連ねた。

 なかでも、ジョン・ランディスが担当した第1話ではヘリコプターの落下による死亡事故が発生し、ラストの展開が変更されたと言われている。

 物語を説明しよう。人種差別主義者の主人公ビル・コナー(ヴィック・モロー)は、運に見放された苛立ちを他人種などにぶつけていた。そんなコナーは、とあるバーで黒人に悪態をついたのちに店を出ると、そこは見たこともない街並みが広がっていた…という筋書きを持つ、人種差別主義者が恐怖に陥る行く末を描いた作品だ。

 事件が起きたシーンは、クライマックスとなるベトナム戦争のシーン。撮影中にヘリコプターが落下し、ローターに巻き込まれたコナー役のヴィック・モローと2人の子役が死亡する悲惨な事故だった。予定していた改心するシーンは最終的に撮影が出来なくなったことでカット。コナーはとあるトラックに押し込まれるという不穏なシーンで幕を閉じる。

 映画は予定通り公開されたが、犠牲となったモローの家族と子役2人の両親は映画製作に関わった監督のジョン・ランディスを含む5人を訴える事態に。のちにランディス監督らが補償金を支払うかたちで和解が成立した。

 法的には遺族との確執が一応解決したとはいえ、事故がランディス監督の心に与えたショックは大きく、後に発表した作品では、射殺される役を自ら演じるなど、自虐、あるいは贖罪とも見なせる振る舞いが散見できるという。

(文・阿部早苗)

【記事修正】
※2024.10.7、情報の誤りがあり、お詫びして下記の通り訂正いたします。

このシーンは最終的にカットとなり、主人公が野垂れ死ぬバッドエンドは、改心するという救いのあるラストにアレンジされた。

予定していた改心するシーンは最終的に撮影が出来なくなったことでカット。コナーはとあるトラックに押し込まれるという不穏なシーンで幕を閉じる。

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