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邦画史上最高の音楽映画は? 魂を震わす珠玉の日本映画(4)文化系の金字塔! 100点満点に面白い傑作は?

text by ZAKKY

いつの時代も人々に感動を与えてきた音楽。ビートルズしかりローリングストーンズしかり、自身の思いを世界に表現し続けるアーティストや歌手たちは、存在自体が芸術といえるだろう。今回は、数ある音楽映画の中から、日本で製作された珠玉の作品をセレクト。観れば勇気がもらえること請け合いの5本を紹介しよう。(文・ZAKKY)

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女優陣の陰の努力に感涙…。
吹奏楽部のイメージを塗り替えた記念碑的作品

『スウィング・ガールズ』(2004)

上野樹里
上野樹里Getty Images

上映時間:105分
監督:矢口史靖
脚本:矢口史靖
キャスト:上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ、豊島由佳梨、平岡祐太

【作品内容】

東北のある片田舎。食中毒で倒れた吹奏楽部員のピンチヒッターとして白羽の矢が立った、落ちこぼれ女子高生、鈴木友子(上野樹里)、斉藤良江(貫地谷しほり)、関口香織(本仮屋ユイカ)たち。そんな彼女たちは、いつしかジャズの魅力に引き込まれ、本気でバンドに夢中になってゆく。

【注目ポイント】

2004年公開の矢口史靖監督作品。上野樹里をはじめ、貫地谷しほり、本仮屋ユイカらが出演している。

『ウォーターボーイズ』(2001年)の男子シンクロナイズドスイミング部や『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』(2014年)の林業会社など、世間的な認知度な低いテーマをもとに青春を描出してきた矢口。本作で彼がテーマとするのは、世の部活動では比較的地味な存在であった文化部、それも吹奏楽部だ。

そんな本作の注目ポイントは、なんといっても役者陣による生演奏だろう。特に、アメリカ人トランぺッターの最高峰であるルイ・アームストロングの楽曲を、スーパーマーケットの駐車場で演奏するシーンは、初心者とは思えないクオリティの高さに圧倒されてしまう。この時点で、音楽映画としては満点だ。

さらに本作は非現実的な展開もあるものの、コメディ映画としてのテンポも良く、役者陣のリアルな東北なまりにも喝采を送りたくなる。東北なまりに金管楽器と、女優陣の陰の努力を思い浮かべるだけで思わず涙腺が緩んでしまう。

なお、本作以降、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)や『ちはやふる』(2016年)などの「文化部系映画」が数々公開されている。その意味では、まさにひとつのジャンルを築いた映画と言えるかもしれない。

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