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まひろの自慢で家族ドン引き…暴走する主人公の傍でこそ輝くキャラクターとは? 大河ドラマ『光る君へ』第37話考察レビュー

text by 苫とり子

吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。久しぶりに里帰りすることになったまひろ。しかし家族との間には溝ができてしまう。今回は、第37話の物語を振り返るレビューをお届け。【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】(文・苫とり子)

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

霞んで見える実家での生活

『光る君へ』第37話より ©NHK
『光る君へ』第37話より ©NHK

 一条天皇(塩野瑛久)の皇子・敦成親王の「五十日の祝」を無事に終えて中宮・彰子(見上愛)が内裏に戻る日も、もう間もなく。『光る君へ』第37回では、まひろ(吉高由里子)が里帰りを申し出る。長らく留守にしている実家が気になったのだ。

 家族のために出仕しているまひろを、父・為時(岸谷五朗)や従者たちは歓迎してくれる。だが、いつの間にか成長した娘・賢子(梨里花)は「内裏でのお仕事ご苦労様にございます」とどこか他人行儀だ。まひろの姿を認めるまでは無邪気な笑顔だったのに。もはや賢子にとっては、まひろのいない生活が当たり前になっているのだろう。

 一方、まひろも煌びやかな内裏での生活に慣れたせいか、実家がやけにみすぼらしく見えた。さらにはその夜、久しぶりに家族と食卓を囲み、嬉しくてつい酒を飲みすぎたのか。泥酔したまひろは、「殿方たちはすっかり酔っぱらって私に絡んできたお方もいらっしゃったのよ」「お菓子もお料理も食べきれないほど並んでいたの」と宮中での華やかな暮らしを上機嫌で語り始める。

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