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玉森裕太の度を超えたクズキャラにショック…それでも沼ってしまう魅力とは?『あのクズを殴ってやりたいんだ』第1話レビュー

text by 菜本かな

奈緒主演、玉森裕太共演の『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)が10月8日(火)より放送開始した。本作は、人生どん底のタイミングで金髪の謎の男に出会ったことで一念発起する、ガチンコボクシングラブコメディ。今回は、第1話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

自分がほこ美だったら絶対に騙される…。

『あのクズを殴ってやりたいんだ』第1話 ©TBS
『あのクズを殴ってやりたいんだ』第1話 ©TBS

『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系/以下『あのクズ』)というタイトルを見たとき、“クズ”とは海里(玉森裕太)のことを指すものだと思っていた。主人公のほこ美(奈緒)が、海里に仕返しをするまでを描いていくのだろう…と。

 しかし、スタートしてみると、その予想は裏切られることになる。“クズ”とは、結婚式当日に「好きな人ができた」と式場から逃げ出したほこ美の婚約者のことで、海里はそんな彼女を絶望から救い出す“王子様”。いきなり現れて、「力になれるかもしれない」と言い出し、まるで魔法使いかのようにほこ美を楽しい気分にさせてくれる。

 序盤の『あのクズ』は、“火10”ドラマらしく、とにかく胸キュンシーンが詰まりまくっていた。食事中にほこ美の口が汚れたら、海里はタオルを取り出しさっと拭いてあげる。

「こっち向いて、オッケー」という言い方も、優しすぎてキュンキュンが止まらない。正直なところ、海里のようなキャラがタオルなんて持ち歩いているか? と思う部分もあったが、そんなことを考えられないくらいにのめり込んでしまうほこ美の気持ちも分からなくはない。

 また、海里はバーでアルバイトをしているのだが、ほこ美が二度目に来店をしたとき、ブルームーンのカクテルを差し出した。「カクテル言葉は?」とほこ美が聞くと、「あとで調べて」と。普通なら、このあたりで「こいつ、やってんなぁ…」と思うところだが、恋の魔法にかかっているほこ美にそんな余裕はない。海里と別れたあと、すぐさまネットで検索をして、「奇跡」「叶わぬ恋」という2つのカクテル言葉に思いを馳せるのだった。

 このテクニック、実に巧妙すぎる。だって、別れたあとも相手のことを考えてしまうのだから。もしも、わたしがほこ美の友人で、この話を聞かされたら、「そんな男、危ないって!」と言うと思う。でも、ほこ美と同じ立場になったとしたら…ハマってしまう自信しかない。

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