映画『万引き家族』世界的高評価の理由は? 是枝裕和監督の名作をわかりやすく解説<あらすじ 考察 評価 レビュー>
映画『万引き家族』イラスト:naomi.k
万引き家族
第10回 TAMA映画賞、最優秀作品賞、最優秀女優賞(安藤サクラ)(松岡茉優)
第42回 山路ふみ子映画賞 - 山路ふみ子女優賞(安藤サクラ)
第13回 GQ Men of the Year - アクター・オブ・ザ・イヤー賞(リリー・フランキー)、フィルム・ディレクター・オブ・ザ・イヤー賞(是枝裕和)
第4回 エル シネマアワード - エル シネマ大賞
第43回 報知映画賞 - 助演女優賞(樹木希林)
第36回 ゴールデングロス賞 - 優秀銀賞
第40回 ヨコハマ映画祭 - 主演女優賞(安藤サクラ)、助演女優賞(松岡茉優)
第31回 日刊スポーツ映画大賞 - 作品賞、主演女優賞(安藤サクラ)、助演女優賞(樹木希林)
第42回日本アカデミー賞 - 最優秀作品賞、最優秀監督賞(是枝裕和)、最優秀脚本賞(是枝裕和)、最優秀主演女優賞(安藤サクラ)、最優秀助演女優賞(樹木希林)、最優秀音楽賞(細野晴臣)、最優秀撮影賞(近藤龍人)、最優秀照明賞(藤井勇)、優秀主演男優賞(リリー・フランキー)、優秀助演女優賞(松岡茉優)、優秀美術賞(三ツ松けいこ)、優秀録音賞(冨田和彦)、優秀編集賞(是枝裕和)
第61回 ブルーリボン賞 - 助演女優賞(松岡茉優)
第43回 エランドール賞 - 特別賞(「万引き家族」製作チーム)
第73回 毎日映画コンクール - 日本映画大賞、女優主演賞(安藤サクラ)、女優助演賞(樹木希林)
第28回 東京スポーツ映画大賞 - 作品賞、主演男優賞(リリー・フランキー)、主演女優賞(安藤サクラ)、助演女優賞(松岡茉優)
第14回 おおさかシネマフェスティバル - 日本映画 作品賞ベストテン 第2位
第92回 キネマ旬報ベスト・テン - 日本映画ベスト・テン 第1位、主演女優賞(安藤サクラ)、読者選出 日本映画監督賞(是枝裕和)、読者選出 日本映画ベスト・テン 第1位
第23回 日本インターネット映画大賞 - 日本映画作品賞 第2位、日本映画監督賞(是枝裕和)、日本映画助演女優賞(樹木希林)、日本映画ベストインパクト賞(樹木希林)
2018年度 全国映連賞 - 日本映画作品賞、監督賞(是枝裕和)、女優賞(安藤サクラ)
2018年度 芸術選奨文部科学大臣賞 - 映画部門(黒澤和子)
2018年 日本映画ペンクラブ賞
2018年度ベスト映画 日本映画部門 第1位
第38回 藤本賞 - 藤本賞(是枝裕和)
カンヌ国際映画祭 - パルム・ドール
ミュンヘン国際映画祭 - アリ・オスラム賞(外国語映画賞)
アンタルヤ国際映画祭 - 監督賞
バンクーバー国際映画祭 - 外国長編映画観客賞
アジア太平洋映画賞 - 最優秀長編映画賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞 - 外国語映画賞
ニューメキシコ映画批評家協会賞 - 助演女優賞
サンディエゴ映画批評家協会賞 - 外国語映画賞
ボストン映画批評家協会賞 - 外国語映画賞、アンサンブル・キャスト賞
フロリダ映画批評家協会賞 - 外国語映画賞
パームスプリングス国際映画祭 - FIPRESCI賞
ゴールデン・ビートル賞 - 外国語映画賞
国際シネフィル賞 - 主演女優賞(安藤サクラ)、アンサンブル賞
セザール賞 - 外国語映画賞
アジア・フィルム・アワード - 作品賞、音楽賞
- 演出:
- 15点
- 脚本:
- 14点
- 配役:
- 17点
- 映像:
- 13点
- 音響:
- 14点
映画「万引き家族」を演出、脚本、配役、映像、音楽の視点で徹底解説! リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、高良健吾、池脇千鶴ら出演。構想に10年を費やした是枝監督が作品に込めた“想い”この映画の真の魅力、そして結末とは?
映画『万引き家族』のあらすじ
舞台は東京の下町。柴田治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は地元のスーパーで万引きを働く。息の合ったチームプレイで従業員の目を盗む2人は、万引き常習犯だ。
2人は帰路の途中で、親から虐待を受けている少女(佐々木みゆ)から無言のSOSを受ける。治は少女を連れて帰宅するのだった。
自宅には治の妻・信代(安藤サクラ)、信代の妹・亜紀(松岡茉優)、治の母・初枝(樹木希林)が待っている。一家の暮らしは貧しく、万引きした食品が生計を支えている。信代と初枝は、少女を連れ戻すように治を説得する。
あくる日、治と信代は少女の自宅に足を運ぶも、部屋の中では少女の両親が怒鳴り合っており、「産みたくて産んだわけではない」という声が聞こえる。少女は帰宅を拒み、治と信代は彼女を「りん」と名付け、一家の一員に迎え入れるのだった。
柴田家は手狭なボロ屋で身を寄せ合うようにして暮らしている。治は日雇い労働に従事しているが、不慮の事故で足を骨折。働き頭を失ったことで、一家はピンチに陥る。
そんな中、世間は少女失踪事件の話題で持ち切りだ。りんの両親は娘の失踪から2カ月経っても捜索願を出しておらず、マスコミから叩かれている。一方、りんはすっかり柴田家の面々に懐いており、治や信代もりんを我が子のように可愛がっている。
治の怪我によって緊急事態に陥った柴田家だったが、祥太と凛による万引き、クリーニング店で働く信代のバイト代、亜紀が性風俗店で稼いだ給料に加え、初枝が「慰謝料」と呼ぶ、謎の収入によってなんとか持ちこたえる。
初枝の亭主(故人)には後妻とつくった息子・譲(緒方直人)がいる。初枝は定期的に譲とその妻・葉子(森口瑤子)の元を訪れており、そこが「慰謝料」の供給先であった。
実のところ、亜紀は譲と葉子の子供であり、柴田家の誰とも血が繋がっていないのだった。亜紀は勤め先である性風俗店の常連客(池松壮亮)と仲を深める。亜紀は男に対し、「初枝と信代を心から慕っている」と語るのだった。