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『世にも奇妙な物語』史上最高の神回は? トラウマ必至の最恐傑作(2)吐き気がするほど…究極にグロい理由は?

text by 編集部

1990年の放送開始以来、根強い人気を誇る『世にも奇妙な物語』。これまでに放送されてきた物語は569話を数え、岩井俊二や三谷幸喜など、今をときめく名クリエイターたちが参加してきたことでも知られている。今回は、30年にも及ぶ同番組の歴史の中から、”最恐エピソード”を5本紹介しよう。(文・編集部)

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“怪優“の名演技が光るバイオホラー

『急患』(1991/主演・近藤真彦)

七沢役の近藤真彦
七沢役の近藤真彦Getty Images

放送日:1991年4月4日
演出:君塚良一
脚本:落合正幸
出演:近藤真彦、佐野史郎、松本留美

【作品内容】

夜の病院に公園で倒れていたという中年男性が救急搬送される。救急隊員の情報では心停止し瞳孔反応もないが、時々痙攣するように身体が動くという。

外科医の七沢が呼ばれるが、看護師によると患者はストレッチャーで運ばれている途中で緑色の血液を流していたという。

先輩医師の森に呼ばれ、急患室に向かった七沢。そこで彼が見たものは、緑色の血液を吹き出しながら絶えず変化し続ける患者の姿だった。やがて、急患を応対した看護師の耳からも緑色の血が流れ始め―。

【注目ポイント】

1991年の春の特別編の一編として放送された作品。演出は、『雪山』の監督である落合正幸で、脚本は『踊る大捜査線』シリーズ(1997)で知られる君塚良一が務めている(君塚は本作がデビュー作)。

本作の最大のポイントは、なんといっても番組史上屈指のグロさだろう。ベッドの上に人型に残った緑色の液体は、吐き気を催してしまうほどのグロさだ。

また、直接は映らないものの、「微笑みながら身体ごと溶けていく」といった看護師の口から語られる患者の最期の様子もなんとも恐ろしい。

そして、極めつけは森役の佐野史郎の怪演だろう。ウイルスに感染した森が目を黄緑に充血させ、口から緑色のスライムを流すという演技は、怪優と呼ばれる佐野でしか演じられないものだ。

なお、脚本の君塚は、翌年、大ヒット作『ずっとあなたが好きだった』の脚本を担当。本作には森役の佐野もマザコンのエリートサラリーマン冬彦役で出演しており注目されることになる。

また、演出の落合は、本作を原案として『感染』(2004)を制作し、Jホラーの世界に進出している。そういう意味で本作は、スタッフ・キャストの人生のターニングポイントとなった作品と言えるかもしれない。

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