とてつもなくリアル…玉森裕太の演技に宿る稀有な説得力とは? ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』第2話考察レビュー
text by 菜本かな
奈緒主演、玉森裕太共演の『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)が現在放送中だ。本作は、人生どん底のタイミングで金髪の謎の男に出会ったことで一念発起する、ガチンコボクシングラブコメディ。今回は、第2話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
玉森裕太が魅せる絶妙な「クズ演技」
『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)第2話も、玉森裕太の“クズ演技”がとてつもなくリアルだった。火10枠ということもあり、海里(玉森裕太)のキャラクターには、少女漫画っぽさも含まれている。しかし、「こういう奴、会ったことある!」と思わせるような説得力もちゃんとあって。
それはきっと、玉森がそういった点を意識して海里を演じているから。だからこそ、非現実になりすぎないというか。ちょうどいい塩梅で、物語を楽しむことができるのだと思う。
海里は、なぜかいつも余裕たっぷりだ。会話のテンポも、クズ男あるあるなのか他人とはちょっとズレている。ほこ美(奈緒)がバーっと責め立てても、海里にはまったく響かない。フッと笑って、スルリとすり抜けていく。まるで、風のような男だ。そんな海里は、今回もクズポイントを量産しまくっていた。
・「あんた、本当最低!」と言われても、「知ってる〜」と交わす
・泣いているほこ美に対して、“ウジウジ泣いている”と嫌味を言う
・「すぐ飽きるから。ボクシングも女の子も」という発言
そのほかにも、ここには書ききれないくらいのクズ発言を連発していた海里。それなのに、なぜだろう。クズポイントが溜まっていけばいくほど、海里に沼っていっている気がするのは。