最も面白い西田敏行の出演映画は? 稀代の名優の代表作(4)心が震える…“歌い手”の才能を発揮した娯楽作は?
text by 村松健太郎
2024年10月17日にこの世を去った、俳優・西田敏行。12月6日に公開を控える映画『劇場版ドクターX FINAL』まで、実に多くのドラマや映画に出演し、観客に感動を与えてきた。今回は、そんな偉大な俳優・西田敏行を偲んで、実に約50年に渡る彼のフィルモグラフィーを振り返り、その足跡をたどっていく。(文・村松健太郎)
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“歌い手”としての実力が遺憾なく発揮された快作
『ゲロッパ!』(2003年)
監督:井筒和幸
脚本:羽原大介、井筒和幸
出演:西田敏行、常盤貴子
【注目ポイント】
自主映画からキャリアを築いた異才・井筒和幸監督とタッグを組んだのが本作。西田敏行演じる、あと数日で収監されるヤクザの親分が娑婆で過ごす最後の日々を描く。西田扮するヤクザは、最後の願いとして、疎遠になった娘と大ファンのJ・Bことジェームズ・ブラウンのコンサートに行くことを願う。
岸部一徳や常盤貴子、桐谷健太をはじめとした豪華キャスト陣に囲まれた西田が、実に楽しそうに主演を務めており、劇中ではソウルフルな歌声まで披露している。
俳優としての活躍が目立つ西田敏行だが、1981年の「もしもピアノが弾けたなら」を筆頭にヒット曲も多く、紅白歌合戦にも複数回出場している。
本作『ゲロッパ!』は、そんな“歌い手”としての西田敏行の実力を再確認させてくれる。ちなみにタイトルにある“ゲロッパ!”とはジェームズ・ブラウンの代表曲「Get Up(I Feel Like Being)A Sex Machine」の歌詞「Get Up」が“ゲロッパ”と聴こえることが由来となっている。
ある年齢上以上のソウルミュージックファンであれば、観ていてこみ上げてくる瞬間が何度もあるはずだ。
(文・村松健太郎)
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