プロが選ぶ「声が良い」女優、現役No.1は? ベスト女優(1)どんな役もハマる…圧倒的人気の秘密は声にあり
男性は目で恋をし、女性は耳で恋をする―。作家ウッドロー・ワイアットが遺した格言だ。しかし、声が重要なのは何も男性だけではない。「印象の4割は声による」という説があるように、女性にとっても武器になりうる。そこで今回は声の専門家に「最高のイケボ女優」の選出を依頼。女性ならではの声の魅力を語ってもらった。第1回。(取材・文:司馬宙)
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【日本美声チューニング協会 三浦人美会長 プロフィール】
発声解剖学をベースにした声を出しやすい身体に整える美声チューニング®を提唱。20代はバンドのボーカルとして芸能事務所へ所属。年間300本のライブをこなし歌い続けた経験の中で発声・姿勢・呼吸等、身体のアプローチから声を変えていく手法を実践。バンド活動の終了後は、講師として稼働をスタート。人前で声を扱うことが多い企業代表や芸能事務所所属のアーティストレッスンまで延べ3,000人以上の方を指導する。
長澤まさみ
―――はじめに紹介するのは、数々の話題作に出演している長澤まさみさんです。
「長澤さんの凄さは、『ソプラノなのにキンキンしないこと』ですね。一般的に、女性の高い声って耳障りなことが多いんですよ。でも長澤さんの声はとてもはきはきしていて、落ち着いて聞いていられる。舌が柔らかい方なんだな、と思いました」
―――舌、ですか。
「はい。一般的に、子音って下を上あごにくっつけて発音されるんですけど、舌が硬いと子音の発音がどうしても雑になってしまって、声にノイズが乗ってしまうんですね。その点、長澤さんの声は発音がはっきりしているので、とても落ち着いて聞いていられる印象です」
―――長澤さんは、『スオミの話をしよう』(2024)や『コンフィデンスマンJP』(2018、フジテレビ系)で七変化を披露していますが、長澤さんの演技の幅と声は関係あるのでしょうか。
「関係はあると思います。長澤さんは、ニュートラルな声の持ち主なので、どんな役柄にも染まれます。ただ、当然、元々ある声をどう生かすかは、個人の演技力によりますが」
―――長澤さんは、映画で叫ぶシーンが多い印象ですが、しっかりお腹から声が出ていたのが印象的でした。声を潰さずに叫ぶのは、至難の業ですよね。
「そうですね。叫ぶ演技は、できれば生徒にはレッスンしたくないです(笑)。おそらく、長澤さんは、元々運動神経が良くて、身体の使い方を熟知されている方なんだと思います。
私もこれまで何人も生徒をレッスンしてきましたが、一回説明するだけでパッとできる生徒さんがいる一方で、何回説明してもできない生徒さんもいる。長澤さんは確実に前者で
すね」
―――長澤さんは、お父様が元サッカー日本代表の長澤和明さんですよね。もしかしたら、長澤さんの演技力はDNAがなせる業なのかもしれません。
(取材・文:司馬宙)
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