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打ち切りの噂も…続編を匂わせて終わった大作映画(1)3部作なのに1本で終了…シリーズ化断念の理由は?

text by シモ

続編が示唆されながらも実現せず、観客の期待が裏切られてしまう映画は少なくない。話題作でありながら続編が制作されなかった作品には、興行成績の不振や製作上の問題など様々な理由が存在する。本記事では、ラストで続編を匂わせて終わる5つの洋画を取り上げ、その魅力と打ち切りに至った背景を詳しく解説していく。第1回。(文・シモ)

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『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(2007)

ニコール・キッドマン
ニコール・キッドマン【Getty Images】

監督:クリス・ワイツ
脚本:クリス・ワイツ
原作:フィリップ・プルマン
出演:ダコタ・ブルー・リチャーズ、ダニエル・クレイグ、ニコール・キッドマン、サム・エリオット、エヴァ・グリーン

【作品内容】

 現実世界とは異なるパラレルワールドが存在する、イギリス・オックスフォード。動物の姿をした守護精霊ダイモンと人間が生命を共有するその世界では、子供たちが謎の組織に連れ去られる事件が発生していた。

 親友のロジャー(ベン・ウォーカー)を連れ去られたライラ(ダコタ・ブルー・リチャーズ)は、黄金の羅針盤・真理計を手に、旅立つことになる…。

【注目ポイント】

 本作は、イギリスの児童文学・ファンタジー作家のフィリップ・プルマンの『ライラの冒険』3部作を映画化した作品である。

 本作のラストは、続編を匂わせるものだった。戦いに勝利したライラがともに戦ったロジャーに、「元の世界に帰ろう」と促されるシーンである。

 ライラはその誘いを断り、コールター夫人(ニコール・キッドマン)を倒すために新たな旅に出ることを誓う。そして、「謎を解くわ。絶対に、私たちは負けない」と、決意するのである。

 3巻からなる小説『ライラの冒険』シリーズの第1巻を映画化した作品だけあって、当然のごとく次回作を予感させるラストで締めくくられているのだが、続編は作られていない。

 子供たちに無神論をすすめている、とのカトリック系宗教団体からの抗議活動が繰り広げられたのがきっかけで、続編の製作を断念したのが理由のようだ。

 その後、『ライラの冒険』シリーズは、改めて2019年からダフネ・キーンを主演にドラマ版として製作され、2023年の第3部公開をもって終了しているので、映画版の製作はもうないのであろうか?

(文・シモ)

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【了】

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