実は最悪の結末だった…評判悪すぎてラストが変わった名作映画(3)自己中女性にハッピーエンドはいらない!?
映画製作ではしばしば、スタジオの影響や、プレビュー上映の観客の反応などから脚本がリライトされ、映画監督のビジョンが大幅に変更することがしばしばある。とりわけ、結末のリライトは、物語が思いもよらない方向へと変えてしまう場合もある。今回はScreen Rantを参考に、元々のストーリーとは異なる”消えたストーリーライン”を紹介しよう。
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ハッピーエンドが共感を呼ばず結末を改変
『ベスト・フレンズ・ウェディング』(1997)
上映時間:95分
監督:P・J・ホーガン
脚本:ロナルド・バス
キャスト:ジュリア・ロバーツ、ダーモット・マローニー、キャメロン・ディアス、ルパート・エヴェレット
【作品内容】
料理記者として活躍するキャリアウーマン・ジュリアンは、元彼で今は大親友のマイケルと、「28歳でお互い独身だったら結婚しよう」と約束していた。しかし、ジュリアンは、ある日突然、マイケルから婚約者キンバリーと結婚する知らせを受ける。嫉妬心に燃えたジュリアンは、マイケルが結婚するまでの4日の間に彼の愛を取り戻す決意をするが―。
【注目ポイント】
現実的で切ない恋愛をコメディタッチで描いた本作も、プレビュー上映の反応から結末が変わった作品のひとつだ。
ジュリア・ロバーツ演じるジュリアンは、ダーモット・マルロニー演じる親友のマイケルに恋していることに気づき、令嬢キンバリーとの結婚式を妨害するため、ニューヨークからシカゴへ飛び立つ。
ジュリアンは、マイケルとキムの結婚を破綻させるため、手始めにゲイの友人ジョージとラブラブな雰囲気を装う。さらにキンバリーの父親のパソコンを使用し、マイケルの解雇を求めるメールを送信。しかし、ジュリアンの策略も二人の愛の力には勝てず、結局2人の門出を祝うことになる。
本作のエンディングでは、ジュリアンは友人のジョージとダンスをしているが、オリジナルの脚本では実は別の男性との新たな出会いが用意されていた。しかし、プレビュー上映の観客たちがジュリアンのキャラクターに強い嫌悪感を感じたため、大幅な変更を余儀なくされたという。
監督のP.J.ホーガンは、インタビューで「観客はジュリアンの動機を理解できなかった」と語っている。新しいシーンの導入により、ジュリアンにより大きな共感を与え、本作は今日まで愛されるロマンス映画の名作になった。
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