タガ外しすぎ…思わずハラハラされられた安達祐実“裕子”の大胆行動とは? ドラマ『3000万』第5話考察レビュー
NHKが新しい制作手法を取り入れ誕生した土曜ドラマ『3000万』。本作は、NHKが新たに立ち上げた脚本開発に特化したチーム“WDRプロジェクト”によって制作され、主演は安達祐実、共演を青木崇高が務める。今回は、第5話の物語を振り返るレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
まさかの展開…。
祐子(安達祐実)が闇バイトに手を出す!
誰がこんな展開になると予想しただろう。事故相手のソラ(森田想)が所持していた3000万という大金に目が眩み、少し生活が楽になれば…という安易な気持ちで手を伸ばしてしまった祐子(安達祐実)と義光(青木崇高)。その結果、目の前で人が死に、犯罪者を自宅で庇うことになり、さらには闇組織に追われる羽目になった。
そして第5話では、坂本(木原勝利)から迷惑料も含む1000万の返済を求められた祐子が闇バイトに手を出す。本人たちもまさか、犯罪の片棒を担がされるとまでは思っていなかったはずだ。
祐子に与えられたのは、名簿に並んだ強盗のターゲット先に片っ端から電話をかけ、資産情報を聞き出す仕事。いわゆる「掛け子」だ。ここ最近、世間を騒がせている闇バイト。どこまで取材したのかはわからないが、アパートの一室に集められた掛け子たちが、リーダーである末次(内田健司)の監視の下で淡々と電話をかけるシーンはリアリティがある。
時々リーダーが差し入れをしてくれたり、成果を上げた人をみんなでお祝いしたり、その光景だけを見れば、普通のコールセンターと変わらない。なんなら祐子が以前働いていたコールセンターは、パワハラ上司のせいで常にオフィスの雰囲気はピリピリしていたから、それよりもマシに見えてしまう。
だが、ここで成果を上げたということは、それすなわち自分が電話をかけた家からお金が盗まれたということ。自分のせいで、1人被害者が生まれたということだ。お金を盗まれただけではないかもしれない。
ニュースにもなっているように、実行犯に暴行を加えられて怪我をさせられた人も、命を落とした人もいる。精神的なショックも大きく、一生トラウマに苦しめられる、あるいはソラの祖母のように被害者が自ら命を絶つ可能性だってあるのだ。