深澤辰哉”冬月”が戻ってこなければ…”不倫ドラマ”らしい展開に激変した事件とは?『わたしの宝物』第4話考察レビュー
text by 西本沙織
松本若菜主演のドラマ『わたしの宝物』(フジテレビ系)が放送中。本作は、「托卵(たくらん)」を題材に、”大切な宝物”を守るために禁断の決断を下した主人公と、その真実に翻弄されていく2人の男性の運命を描く愛憎劇だ。今回は、第4話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:西本沙織】
1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。
冬月(深澤辰哉)との再会に苦悩…。
冬月稜(深澤辰哉)が日本に帰ってきた。
こんなにも、誰かの帰りを喜べなかったことがあるだろうか。別人のように“いい夫”に生まれ変わった宏樹(田中圭)と、“托卵”を選択した負い目を感じながらも日々を平和的に過ごす美羽(松本若菜)。
栞が生まれたことで家族関係が好転し、やっと上手く進みそうだったのに…。
『わたしの宝物』第4話では、ついに美羽と冬月が再会してしまう。冬月にずっと会いたかったと抱きしめられ、美羽は思わずその背中に手を伸ばしそうになる。
しかし、最愛の人が生きていた驚きと喜びの次に襲ってくるのは、宏樹への罪悪感。どうすればいいのかわからなくなった美羽は、冬月を振り払い、その場から逃げてしまう。
冬月の魅力は、子ども心を忘れていない真っ直ぐさにあると思う。でも、そんなピュアな心ゆえの行動は、時として美羽を苦悩させる要因にもなる。
冬月は最初、美羽に拒絶された理由がわからなかったのだろう。時間が経つにつれ「会いたくなかったのかもしれない」と、徐々に美羽とのギャップに気づいていく。
冬月の時間は、美羽が宏樹との結婚生活に疲弊し、自分に「助けて」と頼ってくれたあの日から止まったまま。でも美羽側は、冬月のいない間にあまりにも濃密な時間が過ぎ去っていた。
あの頃とは状況が変わっただけで、お互いの心が離れたわけではないから、冬月の視点に立つとちょっぴり切ない気もするけれど。この微妙なすれ違いが起きているうちに、2人は完全に縁を切るべきだったのかもしれない。