まひろでさえも勝てない…思わずひれ伏したくなるほどの最強キャラとは? NHK大河ドラマ『光る君へ』第43話考察レビュー
text by 苫とり子
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。三条天皇の体の不調に気付き、譲位を迫る道長と、頑として譲らない天皇。両者の溝はさらに開いていく…。今回は、第43話の物語を振り返るレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
道長(柄本佑)が三条天皇(木村達成)に譲位を迫る
宇治の川辺で2人きりの時間を過ごし、気持ちを新たにしたまひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)。まひろは光源氏亡き後の物語を書き始め、三条天皇(木村達成)が目と耳を患っていることに気づいた道長は譲位を迫る。再び2人の人生が動き出した『光る君へ』第43回。
三条天皇と道長の対立が深まる中、公卿たちはそれぞれ己の身の振り方を迫られていた。なかでも視聴者から賞賛を得たのは、実資(秋山竜次)の行動。なりゆきで娍子(すけこ/朝倉あき)立后の儀の上卿を務めた実資(秋山竜次)は、三条天皇の信頼を得て道長から自分を守ってほしいと頼まれる。
自身の息子である資平(篠田諒)を蔵人頭に指名してもらった手前、断りきれなかったのもあるだろう。しかし、除目の決定権を持っている道長に逆らえば、己の身を危うくする可能性もあったにもかかわらず、実資は「帝のお心は譲位に向かってはおられませぬ。責め立て申し上げたれば帝のお心もお体も弱ってしまわれるでありましょう。弱らせることが正しきやり方とは思えませぬ」とはっきり告げた。